38 試験最終日の朝。 携帯食料を齧り、喉に押し込んでから無線を入れる。 「こちら観察方=。 本日の12:00を持って各自監視任務は終了。 失格となった受験者の回収と死体を乗せた船の出港に移る事。 試験官補佐諸君の出向は15:00を予定。 それまでに諸事を終了しておくように」 無線からいくつもの「了解」の合図が耳に入ってくる。 さて、今の所合格確実なのは6人。 それに、ゴンとクラピカとレオリオと246番のポンズが ヘビの巣窟から抜け出せるかにかかってくるかな。 「クビラいる?」 【へいへーい。用事かいご主人?】 ガサガサと葉を揺すらせ、黒い鼠がの肩に落ちてきた。 は指でその鼠、クビラの額を撫ぜる。 「試験官補佐と受験者全員の居場所がどこか教えて」 ウェストポーチからゼビル島の地図を取り出し、地面に敷いた。 【えーと、まず44、53、99、191、294が 開始した岬のすぐ側で補佐官も全員ついてる。 16"ブタに餌を与えないで下さい"の看板つきで 森の中で縛られてる。 34は肋骨2本折ってプレートなし。南で海見てる。 89、362がプレート無しで一緒に木に縛りつけ。 105は毒喰らって川下でへばってる。 118がプレート無しで猿と一緒に木の上で寝てる。 197、198、199の3人はプレート全部無くなって 滝の300m下の川岸で朝飯の魚食ってる。 80、281、384、371が死体回収済み。 301死んでないのに地中で寝てる。 103が死んでて246、403、404、405と一緒にヘビの巣窟に なってる洞窟の中。補佐官は全員洞窟の外で待機中。 以上24名確認でいいかい?】 番号ごとに地図を動き回ったクビラは止まってを見上げた。 「うん。状況把握は終わったよ。ご苦労様。 子鼠達は最後に回収しましょう」 【あいよ。ご主人思ったより慌ててないな。 ゴンとクラピカとレオリオ、結構ヤバイんじゃねえの?】 「これくらい乗り越えられないようならハンターにはまだならない 方がいいわ。3人ともまだ若いしチャンスはまだあるもの」 クビラはくるっと回っての肩に乗っかった。 【あっそ。まあこれくらいはご主人にはピンチにすら入らないもんな】 「そう言うこと」 人差し指で鼠姿のクビラの額を撫でるとクビラは気持ち良さ そうに目を細めた。 【っお。洞窟組に動きが出てきた。出口から白の煙がモクモクだ】 「何それ?」 【薬品スプレーだな。催涙、催眠系の】 「へぇ、3人はそう言うの持ってないから246番のコの持ち物ね。 クビラ、逐一報告よろしく」 *+*+*+* 【ゴンが3人担いで洞窟から出てきた。やっぱ催眠スプレー だったんだな。ゴン以外の3人はよく寝むってら。 にしても10分近くもよく息止めてられるな】 「常人でも海に潜る職業の人はそれくらい出来る人もいるわ。 ま、ヘビばかりの洞窟内を抜け出したことは評価できるね」 ヘビを眠らせると同時に自分も無防備になってしまう 状況の中、クラピカとレオリオはともかくとして、 どうやってポンズを説き伏せたのかしら。 「行こうクビラ。もうすぐ4次試験が終るわ」 【あいよ】 4次試験合格者 ギタラクル・キルア・クラピカ ゴン・ハンゾー・ヒソカ ポックル・ポドロ・レオリオ 以上9名。