39 試験終了後、は9人の受験者の前に立った。 顔ぶれは予想とそれほど変わらない者達。 「9人の皆様4次試験お疲れ様でした。 これより飛行船にて最終試験会場に向かいます」 グオングオンと唸りながら空から飛行船が降りてくる。 2次試験会場から3次試験会場に使ったあの飛行船だ。 入り口が開き、は先だって歩く。 「移動には1日はかかるので1階の個室を使って下さい。 何か質問があればどうぞ」 「このプレートってそのまま持ってていいのか?」 「必要がなければこちらが回収しますが、 欲しいというなら差し上げますのでご自由に」 ポックルの質問にゴンがほっと胸を撫で下ろした。 「君を夜のベットに誘ってもOK?」 「その時点で職権乱用して失格にしてあげるよヒソカ」 こいつには敬語はしてやらん。 「それは残念◆」 「最終試験内容については?」 ポドロの質問に一同ピンと張り詰めた。 「ノーコメントです。試験内容はネテロ会長が決める ので分かりません。私自身、最終試験受けてないので 参考にも話せませんしね」 「はぁ!?そんな事があるもんなのか?」 レオリオが裏返った声を出す。 隣にいるクラピカも納得いかない顔でこちらを見ている。 「私の場合、1次試験で二人になったのでもうそれ以上 人数を絞り込む必要性がなかったの」 「へぇ、そういうこともあるんだ」 ゴンが納得する傍ら、キルアが指を使って最終試験の 内容を考えている。 「1次試験はマラソン、二次試験は料理、 3次試験はタワー攻略、4次試験はプレート狩り。 後必要な試験ってなんだ?」 「他に試されてないものっつーと…」 レオリオの言葉を引き継いでクラピカが答える。 「基礎体力、洞察力、精神力、総合能力が すでに他の試験で試されているから」 「知識…すなわちペーパーテストか!?」 ポドロがドーンと擬音がつきそうな迫力で回答を導き出した。 残り8人全員、あのヒソカでさえも意味不明な説得力 を持ったその回答に頷きそうになる。 「それはないでしょう」 その中ではその回答を却下した。 「筆記試験がありえないとする理由は?」 ポドロが気分を害したようにに聞き返した。 「ハンターという職種で扱う分野の広さを考えてみなさい。 私の場合だけでも歴史学、考古学、言語学、スポーツ学、 医学、生物学、地理学とこれほど違う知識が必要となる。 ハンターなんて専門分野に特化していればなんとかなる のだからプロになってから詰め込んでも間に合うもの」 「成程。確かに活動内容によって必要とする知識が 変わるハンターで筆記試験は難しいものか」 クラピカがの推測に合いの手を打った。 「そう言うことね。あのネテロ会長のことだから、 精神面的にも辛い試験がくることを覚悟するべきよ」 簡単に難しいことを言うのがあの会長だ。 私も何度かそれに苦しめられた経験を持つ。 ネテロ会長はジンさん以上に化け狸だもの。 「質問は以上ですか?」 9人の顔を見渡して平気そうだと判断。 「なければ解散。会場到着まで自由にしていて下さい」 そう指示するとぞろぞろと受験者は動き始める。 「あっとそうだゴン、レオリオ。 貴方達は医務室に行くわよ。 血清は打ったみたいだけど他にも処置しなくちゃ」 「血清?ヘビにでも噛まれたのかよダッセー」 キルアはからかい半分にゴンの頭をどついた。 「痛いよキルア。しょうがなかったんだもん あんまり言わないでよ」 「はいはい心配ならキルアも一緒に医務室行きなさい。 レオリオ、医務室はこの廊下の突き当たりにあるわ」 「はいよ。いくぜゴン、キルア」 レオリオはゴンとじゃれてるキルアの頭を軽く 手で叩いて廊下を歩く。 クラピカとは苦笑してクラピカはそれに付いていった。 は最終試験の為の打ち合わせのために試験官達の 部屋へと向かう。![]()