36 『タイムアップ――!!』 アナウンスで第3次試験終了を通告した。 『第3次試験通過人数25名!3次試験お疲れ様でした。 これより第4次試験説明を行いますので、扉が開いたら 全員外へ出てください』 はアナウンスを切り、扉開閉ボタンを押す。 モニターで扉が開いたのを見てから、そっとモニタールーム から出て行った。 ヒュッ ヒュッ ヒュッ 軽く風を切り、はほぼ垂直の崖を下る。 今頃リッポーが4次試験の説明をしている。 4次試験の会場はここから見えるゼビル島と呼ばれる無人島。 1週間の期間中、彼等は互いのプレートを奪い合う。 クジで引いた番号3点、他番号1点、自身プレート3点。 これで6点分のプレートを集める必要がある。 今までの総合能力が試されるので受験者達は待ってましたと いった気分ではないだろうか。 ザザッと砂と靴を擦らせる音を鳴らし、立ち止まった。 「何人集ってますか?」 「30名です」 の問いかけは茂みに集められていた試験補佐官 に返答を受けた。 全員がハンター協会に属し、これから始まる4次試験受験者 に1週間張り付いててもらうのだ。 私がクビラに言えば別にいいのだが、まあ用意してもらった のだから存分に働いてもらおう。 「3次試験合格人数は25名、内1名が死亡により受験不可能。 女性の受験者が2名いますので彼女達には女性試験官を 配置して下さい。 残り6名は必要の際の交代係りをお願いします」 「了解しました」 「では受験者よりも先にゼビル島へ。 受信機と骨伝導無線機は?」 「全員が携帯済みです。さんの分はこちらに」 「ありがとうございます」 は小さな巾着ほどの包みを受け取って、中身を確認した。 1つはプレートの発信機を探索する受信機。 もう1つは声を発さなくても会話できる骨伝導無線機。 流石、金はありまくるハンター協会だけあって良い物だ。 「私も皆さんに遅れて島に潜みます。 何かあったら即座に連絡を。 特に44番と301番担当は命関わるので本当に」 イルミは感情的に殺すことはないだろうから平気だと は思うが、ヒソカは感情的にしか動かない。 策を練るのも自分の欲求を満たす為だけだ。 2人の担当官らしき人達は何回も強く首を縦に振っていた。 ああ、不安なんだな。 呼ばれたらすぐ行けるようにしておこう。 「試験続行不可能な重傷者は応急手当後、病院への搬送 最優先に行動。 その際には必ずリッポー試験官と私に報告を入れるように。 死亡者は試験終了後に失格者と共に船にて港へ送り返します。 最終試験受験者担当官は私と共に会長と話し合いに 参加していただくので先に述べた仕事が終り次第、 私と本部に同行して下さい。 質問、確認事項なければ行動開始」 すらすらと3日間の内に考えていた段取りを話し、 彼等を散らばせた。 気配が遠退いて1分程間を空けてからバックに入っている ケータイを取り出した。 ピッ カイトに電話する時間はないな。 メールだけ送信してから電源を切ろう。 「試験官補佐の船が動いた。受験者は20分後に出航だったっけ」 海原に小船が走っていた。あのまま裏側の岸につけるんだろう。 「後は、3次試験での死亡者4名と失格者14名を 本部連絡すれば私もゼビル島に行けるな」 にしても、囚人の死亡者数は受験者の5倍以上。 うちヒソカ・イルミによっての死亡が半分…… 4次試験、何人生き延びられるかな。