#07
「どうして翡翠の髑髏と粘土板が小娘になったんだ?」
体長2m半はありそうな巨体が普通の疑問を口にした。
さり気に酷いことを言われてるが、は
一言もしゃべらない。
「団長が気に入ったんだとよ」
念弾を打ってきたインディアン風味な人が説明して、
チョンマゲの人はジロジロとの顔を見る。
「青田買いってやつか?まあ2,3年もすりゃイイ線いきそうだけどよ」
「ウボー、ノブナガ。は今だって十分可愛いだろ」
シャルナークはノートパソコンから一旦目を離して反論してくる。
2m以上ある人がウボー、チョンマゲがノブナガと言うらしい。
念弾の人はフランクリンと呼ばれていた気がする。
は暇すぎて手に付いた鎖をいじくった。
どこかの念能力者が作ったのか、この手錠をはめた時から
念が上手く発動できない。
具現化か操作か…対象者を限りなく絶に近い状態にする手錠。
何にしてもこんなもの付けられて喜んだらアブない趣味の人決定だ。
それでも即ベットに連れ込まれなかっただけマシかもしれないが……。
「ちょっとアンタ」
アンタと呼ばれるのはここでは自分だけだから
普通に呼ばれた方を向いた。
「何ですか?」
呼んだのは会場を襲った1人の女性だった。
会話の様子から探ってマチというらしい。
「風呂沸かしたから来なよ。ずっとそのままは辛いでしょ?」
「いいんですか?」
「アンタには同情するからね。それの鍵は団長しか持って
ないから無理だけど、最低限のことはしてやるよ」
あ、良い人だ。
「じゃあ、入りたいです。あ、アンタじゃなくてって呼んで下さい」
「シャルはって呼んでるけど、どっちが本名?」
「です。=」
「ならでいいね。アタシはマチ。敬語いらないよ」
「わかった」
+*+*
廃屋で瓦礫の溜まる部屋があちこちの中、
1室だけカーテンのかかっている部屋があった。
「パク、次入れていい?」
カーテンの先にいるらしい人の名前を呼ぶマチ。
「いいわよ」
シャッ
カーテンレールが走り、長身のナイスバディーな
お姉さんが出てきた。
「貴女か今回の盗難物?」
「不本意極まりないですけどそうです」
「私はパクノダ。パクでいいわ」
「よろしくお願いしますパク」
「私達に敬語を使わなくてもいいわ。盗賊に敬語使う
なんて変わってるわね」
「親のしつけだよパク。それと、敬語使った方が
世渡りはスムーズでしょ?」
これは本心だ。
敬語を使うくらいで人間関係が潤滑になるならば
使えたほうがいいに決まっている。
「外見よりは世の中知ってるのね」
「まだまだ知らないことだらけ。それじゃお湯お借りします」
はそう言ってカーテンの中に入っていった。
追記:お風呂は温泉らしくかなり気持ちよかったです。
