次の日







昨日のうちに鍵をノヴに渡したとシャルは教会で夜を明かし、
やることもないのでありとあらゆるもので討論会をしていた。

そして、試験終了時刻、二人以外の合格者は訪れずに三時を
短針は過ぎてしまった。


「……どうしようか」

「う〜んやっぱり俺たちラッキー?」


まさか私たち以外に合格者なしとは…。

今、ノヴさんが次をどうしようか会長に連絡してるみたい。


「はい、分かりました。では」


ノヴがケータイの通話ボタンを切って、スーツのポケットに仕舞った。


、シャルナーク。二人ともハンター試験合格だ」

「二人して合格でいいんだ」

「みたいだね」


私とシャルは複雑そうに顔を見合わせた。

簡単に終りすぎて、なんか拍子抜けな合格だね。


「お前達ならすでにプロハンターでやっていけるからな。
妥当だろう。ここから移るぞ」


「はーい」

、シャルナーク 2名ハンター試験合格



+*+*+*+



そしてその日のうちに講習会に出席してハンターライセンス
を手にすることができた。


「ホホホ、まさか合格者二人ともルーキーとはの。
しかももう念能力を習得済みとは楽チンじゃのう」


講習をしてくれたネテロ会長の言葉に引っかかるモノを
感じてシャルを見た。


「あれ?シャルもルーキーだったの?」

「そういうこそ」


お互い知らなかったらしい。

シャルともノヴさんとも仲良く慣れたけどやっぱり謎の
多い人たちだ。


「オッホン。お主等、話を進めてもいいかの?」


わざとらしく咳払いしてネテロがそう言った。


「あ、どうぞどうぞ」

「では。これでもう諸君らは儂らと同じハンターとしての
仲間でもあるが商売敵でもあるわけじゃ。
次に会うまで諸君等の息災を祈るとしよう」

「会長は一体いつまで生きるつもりなんだ?」

「いや、まずネテロさんはいくつですか?」


シャルナークの失礼な言葉を消すようにはそう質問した。


「秘密じゃ」


一番の謎はこのお爺さんだ。


「うん、でも長生きできるって素晴らしいですよね」

「その通り。死に急ぐなよ若者諸君。人生波瀾万丈じゃ」


まさにその通りだと私も思うよ。

はこれまでの過去を振り返って大きく頷いた。



ネテロ会長と微妙な漫才的会話して私とシャル、
それにノヴさんは建物の外に出た。


「私は家帰るけど二人はこれからどうする?」


ペットボトルに口を付け、ふたをしながらはそう聞いた。


暇なら途中だった話を進めるのも楽しいと思っているんだけど。


「俺は会う約束してる奴いるからそいつに会ってくる」

「私もこれから用事があるのでこれで失礼しますよ」

「そっか、んじゃ私もシャルとノヴさんの息災を祈っておくよ」

「俺もだよ」

「無茶しすぎて命を落とさないように」

「先人の言葉は大切にします。それでは」


はそう言ってゆくべき道を歩いて二人と離れた。

次、会えるか分からないけど元気でいるように。


「不思議な子でしたね」

「そうだね。オーラもどこか変わってるし。
俺たちはがいなかったら全くの敵だね」

「その通りです。次会ったら最後ですね、蜘蛛


「そっくりそのまま言葉を返すよ」


シャルナークとノヴも分かれた。


最後に残ったのは静かな凍える風だけ。