空港








ピピピ

のケータイが鳴った。




「はい」

『シャルだよ。そっちはどうだった?』


私たちは今分かれて鍵を持つ人物を捜している。

ケータイが良く聞こえるようには女子トイレに避難した。


「こっちは二人当てはまる人がいた。そっちは?」

『俺は一人。しかも眼鏡に指紋付ける上げ方実践中。あのさ、試験官は
1ペア1つ以上鍵をとっちゃいけないって言ってないよね?』

笑いながらそう言うシャルナーク。


「言ってないよ。今のうちにライバル減らす?」

『その方が早く試験終わるしね。どうする?』

はちょっと考えてからまたケータイを耳に運んだ。

「いいよ。こっちも見つけた人に当たるから2つとれたらラッキーってことで」

『話が早くてすっごく助かる。んじゃ1時間後に3番ゲートのロビーで』

「わかった」




1時間後




3番ゲートのソファーで本を読んでシャルナークを待っていると
またあっちから声をかけてくれた。


「あ、いたいた

「どうだった?」


しおりを挟んで本をポーチに仕舞いながらそう聞いた。


「バッチリ」


シャルナークがハンター協会のマーク付きの鍵を見せた。


「私も1つGet」


も手に持っている同じ鍵を見せた。


「これで2つか。このまま戻っちゃおうか」

「そうね。空港で暴れられたら厄介だし」


朝会ったクロロ=ルシルフルと比べたら気の毒だけど
まったく気配の消し方がなってない輩ね。

そのまま空港から足を遠のけると、暫くして
私たちを見張ってた奴らが…まあ姿を見せた。


「大人しく鍵を寄越せば何もしねぇ」

「お嬢ちゃん辺りは抵抗すると何が起こるかわからねぇぜ」


シャルナークはそいつらを見て途端に不機嫌な表情になり、
同時にため息を吐いた。

どこぞのチンピラだよと言いたくなりさえする
頭の悪い言い回し。

いるけど殺しちゃってもいいかな。

そんな事思って動こうとしたら当人のに片手で制された。

ヒュッ 

風の切る音がしたと思ったらが目の前の男達の後ろにいて
そいつ等は白目向いて倒れた。

手刀を一発ずつ。無駄のない良い動きだ。


「下品かつ面白みのない文句は聞きません」


うん、この子面白い。気に入った。

頭も顔も悪くない、どっちかっていうと良い部類だし強い。


「お見事」


シャルナークは拍手を送った。


「どうも。さて、教会に戻りますか」

「賛成。ねえ、本名教えてよ」

は仕事の名前だよね。
は悩んでるみたい。

それもそうだ。俺はさっき会ったばかりの何者か分からない奴。


だよ」


驚いた。

本当に教えてくれるなんて思わなかったから。

「自分で聞いておいて何ビックリしてるの?別に教えても問題ないしね」

私はこの世界でとして存在しないから。

とは言っても戸籍がないだけだけど。


・シャルナーク 第一次試験通過。