の家







生活用品が日の光と静けさに守られている。

そこに空間の切り口が生まれた。


【到着だ】

「どうもアニラ。お礼に何か食べていく?」

【この間食したほっとけーきというものを希望する】


「あはは気に入った?いいよちょっと待ってなさい。

あ、そうだホットケーキは迷企羅〈メキラ〉と
安底羅〈アンテラ〉も好きだから呼ぼうか」


は良い考えだと思いついて薙刀でシュッと空間を切り裂いた。

そこから青い髪の10歳位の少年と同じく青の髪で、それをツインテールに
したと同い年くらいの女の子が出てきた。


【主様〜Vv】


藍色の髪を遊ばせてアンテラはに飛びつき、
はそれを抵抗なく受け入れる。


、良い匂いだな。俺にもくれるのか?】


メキラはキラキラと目を輝かせての服の裾を引っ張った。

「うんそうだよ。アニラも椅子に座ってるから
2人も座って待ってて」

【はーい】【早くな!!】


まだ子供な性格をしているこの2人。

青の髪の少年は青と白の毛並みの虎。

少女は浅黄と藍のグラデーションのウサギ
が正体のアニラと同じと契約した守護獣である。


【アニラもほっとけーきが好きになったのか?】

メキラはピョコンと椅子に飛び乗って仲間のアニラにそう聞いた。

【ああ。食事を必要としない我らだが、食べるというのは
実に楽しい】


【私は主様と一緒にいられればそれだけで楽しいわ。

アニラはいいわね。主様にいっぱい呼び出してもらえるもの】


アンテラも椅子に座って話に混ざる。

どうやらちょっとだけアニラにヤキモチを焼いているらしい。


【我は移動を主とするからな】

【なら俺もアニラの能力が良かった。
俺は移動にもの為に戦うこともできない】


しゅんと落ち込むそぶりをみせるメキラにコツンと
小さく拳が当たった。

「何言ってるのかしらメキラ。
貴方がいてくれて私は助かってるよ」

【本当か?】


じっとした目でメキラはをみた。


「ええ、本当。さあ出来たよ。三人ともどうぞ召し上がれ」

はそう言って皿を三枚並べてその上に二枚ずつホットケーキをのせた。
【いただきマースv】【ありがたく頂戴する】【いただきます】

「はいどうぞ」


この子達には分からないのかな。

誰も知り合いのいないこの世界であなた達がどれほど
いてくれて嬉しかったのか。


「ありがとう」

これからもよろしくね。















冒頭話完。