02 キャンプタイガーの生態観察とカイトとの再開の挨拶を終え、 仲間達が根城にしている水場へと一足先に足を運んだ。 森の木々に覆われた視界が一気に開けた場所に、大柄な男、 荷物運びに多大なる貢献をしているモンタと小柄で昆虫の 知識は右に出るものなしのリンがいた。 2人は草を掻き分ける音での来訪に気づき、作業を 一旦中止にして、出迎えをしてくれた。 「おおお正月振りですさん」 「お仕事お疲れ様。ハンター試験どうだった?」 「数週間振りリンにモン。元気そうで何よりだわ。 今回はエビチリと春巻きとゴマ団子にクモワシの煮卵 持ってきたんだ。 ハンター試験の話は皆でご飯食べながらしてあげるね」 食事の時間が迫ってくると、ちらほらと仲間が戻って来る。 は一人ずつ挨拶を交わし、調査の進み具合とハンター 試験の話を肴に食事を楽しんだ。 「一次試験は受付会場から巨大地下通路とヌメーレ湿原を 横断してビスカ森林公園までマラソン。 二次試験はグレートスタンプの丸焼きとスシとクモワシの 卵の調達と調理。 三次試験は普段は刑務所のトリックタワーで長期囚人との バトルとトラップをクリアして頂上から1階まで降りる。 四次試験は決められた点数を集める受験生同士の潰しあい。 最終試験はまいった言うまでのガチンコ勝負。 今回の試験は大まかに説明すればこんなものかな」 「うえ、数百キロもマラソンすんの? 今年受けないで良かったー」 スティンはクモワシの煮卵が気に入ったらしく、3つ目の 卵を食べきった。 「半数以上は一次で落とす必要があるんだからそれくらい は必要よ。 カイトの時は一次試験なんだったの?」 は小魚でダシをとったスープをカラにしてからカイト に話を降った。 「俺か?俺の時は外見フリフリの少女で、オーラは熟練の 猛者にしか思えない奴が試験官だった。 内容は語らないでおく。 ここで試験を受ける意欲を無くすのも不憫だからな。 内容は説明を聞いてるだけなら簡単そうに聞こえたんだが、 本当にえげつない試験だった…。 700人集った参加者の内、次に進めた受験生は19人にな っていたからな」 97%以上が1次試験で脱落………。 本当にどんな試験だったんだろう。 ※ カイトの仲間達は念能力を使えはしないが存在は知っ ていることにしておいて下さい。![]()