ドリーム小説


18







「だから〜〜しかたないでしょ。
そうなっちゃったんだからさ!!
イヤよ!!結果は結果!!やり直さないわよ!!」

電話の相手の審査委員に深く同情しよう。
この怒鳴り声を向けられたとなっちゃたまったもんじゃない。

「報告してた審査規定と違うって―!?何で?!
始めからあたしが『美味しい』って言ったら合格にするって
なってたでしょ!?現に1人は合格してるじゃない!!」
「それは建前で審査はあくまでヒントを
見逃さない注意力と…「あんたはだまってな!!
とにかくあたしの結論は変わらないわ!
二次試験後半の合格者は1名よ!!」


落第しは受験者は憎悪を私とメンチさんに向けている。
すっごく居辛いな……。






変わって審査委員側


「もしもし?…もぉ、乱暴な人だなぁ。
会長、ケータイの電源OFFにされちゃいました。
いかがいたしましょうか?」

マーメンは二次試験の報告を聞いて、会長のネテロに指示を仰いだ。

ネテロはコサックダンスの型に止まった片足にドリンク
を置いて、長いストローでそれを飲む。

「ふーむ。あの娘もかなり強情だからのぉ。
よほどの事がない限り意見は曲げんじゃろう」

メンチを庇うようにも聞こえるネテロの意見にマーメンが反論する。

「でも彼女の言い分はあまりに一方的だし、何より予定と違います。
あくまで料理を通して観察力や注意力を測るテストだったはずなのに。
さんが受かっているのは理由になりません。
彼女が受からないテストは不当以外の何物でもありませんよ」

「そりゃそうじゃが、今更言ってもしかたあるまい。出かけるぞい」

立ち上がって部屋を出て行く2人。

「すいませんお手を煩わせます」

「ほっほ、責任者として当然じゃろ。
こんなケースは1度や2度じゃないわい。
ハンターってやつは頑固者や変わり者がとにかく多い。
そんな連中が審査しとるんだからおのずと点も辛くなる。
だから観察方が出来たのじゃからな」

観察方は試験官と受験者の仲立ち役。

彼等は、受験者の助けになることもあれば、最後の引導を
渡すこともする。

「実際、観察方と試験官の判断に従って合格者を出さなかった
年もあるしな。だが、今回は少しばかり受験生が気の毒じゃろう」

2人は屋上の待機している飛行船に乗り込む。

彼等が向う先は二次試験会場。