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って料理上手なんだねキルア」

「でも、普通のスシと違うって事は参考に出来ないよなー」


のを見て、だったら自分もとどんどんメンチに自分の料理を運ぶ。


「駄目!!」「違う!!」「ある意味惜しい!!」「アンタも403番並!!」


しかし、試食する前に切り捨てられる者ばかり。

レオリオと同等と言われたクラピカはこの上なく落ち込んでしまった。

そんなにレオリオ嫌なのか?


「ちょっとォ。まだ1つしか食べられてないわよ!!
あたしを餓死させる気!?」

「メンチさん」


他の受験者に教えないように試験官席の側にいるように
厳命されたがメンチに話しかけた。

「どうしたの?」

「私がお腹空いたので作ってもいいですか?

材料は残ってるからチラシズシもありだと思って」


「ああ、だったら1番近くの場所で作りなさいよ。

試験が終ったら後であたしも食べるから」


メンチはの料理が気に入ったらしい。


というか、自身も気に入ったようで、さっきから
と暇つぶしに話に花を咲かせていた。


「あいあいさ〜」

そしてさっさか皿にチラシズシの材料をのせる。


しかし、その皿は4枚。、メンチ、ブハラ。後もう1枚は?



「よし、出来た。ちょっと外出てきますね」


は皿を1枚持ち出して外へとでていった。



「サトツさん、お腹すいてませんか?

余った材料で作ってきたんですけど」


「これはさん。有難うございます」


木の枝に腰をかけていたサトツは木から降りてチラシズシをから貰う。


「いやぁ、さんは本当に料理が上手ですね。

メンチさんの舌を納得させられる料理人は世界中でも
数えるほどしかいないと有名ですよ」


サトツの口は見えないが、美味しそうに食べてくれるのが
嬉しくて、自然と口の端が持ち上がっていく。


「料理はいつもやっていれば自然と上手くなるものですから、
それにこの試験は何も味の審査じゃ

「ざげんなてめぇ!!」


「…………行って来ます」


「頑張って下さい」





メンチの怒鳴り声を聞いて、は建物の中に戻っていく。

は嬉しそうな顔から苦渋の顔へと変化していた。







「メンチさん。何があったんです?」


メンチは294番の――ハンゾ―といったか?――そいつの
胸倉掴んで感情のままに怒りの説教をかましていた。


「あー!聞いてよぉ!!こいつ、スシの作り方バラした
ばかりかスシがお手軽料理だって言ったのよ?!」


元々、スシは江戸時代ではファーストフードのように食べられも
したのだからお手軽料理でもまったくのハズレではない。

しかし、今のメンチにそれを言うのは自殺行為だった。


「ったく、アンタの料理こいつに食わしてやりなさい!!」

「え?まぁこれでいいなら」


持っている自分の分のチラシズシをメンチにみせる。


「それでいいわ。ほら、食ってみな」


ハンゾーを離して、へと向ける。


「俺は忍で他人からの食物は体が受け付け「黙って食え!!」

「…はい」


メンチの勢いに押されてハンゾーは諦めたように箸を使って一口。


パクッ


すると、ハンゾーは後ろに仰け反り、目を手で隠す。


「う、上手い!!こんな上手い飯は初めてだ!!

あんたっていったか?」


一口で料理の旨さに感動して、へと詰め寄る。


「俺のために毎日味噌汁作る気ないか?」

「お断りします」


日本独特のプロポーズをキッパリ切って捨てる。

つーかカイト以外の男は恋愛対象にしないって。

それに落ち込みながらハンゾーは自分の場所へと戻っていった。


「あ――もぉ!!怒鳴ったら益々ハラ減ったわ!!

さあ次の挑戦者いらっしゃい!!」


メンチは指定のイスに深く腰掛ける。調理法を知った受験者は
我先にとスシを持ってきた。結果……味判断へともつれ込んだ。



「握りが強すぎ!!」「ネタの切り方が駄目!!」

「シャリの形が悪い!!」「握りが遅い!!」



どれもこれもバンバン切って捨てられる。

私の目には合格でも、メンチさんにとっては全然駄目だそうだ。



「お茶ちょーだい」

「はい」


ごくごくとスシに付きものの寿と書かれた湯のみで
お茶を飲み干していく。


「ふ―――悪!!おなかいっぱいになっちった」


第二次試験後半メンチのメニュー『スシ』

合格者1名。


……観察方の本領発揮だな。