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湿原を抜け、たどり着いたのは大きめの簡易建設物。

中からは奇妙な擬音が聞こえてくる。


「皆さんお疲れ様です。無事湿原を抜けました。

ここビスカ森林公園が二次試験となります。

それでは私はこれで、健闘を祈ります」


サトツは最後に聞いてる人間は少ないだろうが挨拶をしてその場を離れた。


約150人…一次で残り2桁くらいに減ってしまうと思っていた
のですが、今年の受験生は豊作ですな。それだけに惜しい。

二次試験官があのメンチとブハラだったとは。

「ここで50人、いや、課題次第では10人以下になって
しまうかもしれませんな」

「気になりますか?」


はさっきまでとは正反対の平常の顔でサトツに声をかける。


「お帰りなさいさん。お疲れ様でした」


「サトツさんもお疲れ様です。二次試験受験者は148人ですよ」

「そうですか、では少し様子を見て見ましょうか」

「お気の向くままに」


手を軽く振って、人込みの中にも紛れこんでいった。






さてと、ゴンとクラピカ、レオリオにキルアを探しますか。

ヒソカは嘘つきだけど無意味に契約や約束を破る事はしない。

それを破るのは自分のデメリットだと分かっているから。

あ、早速発見。レオリオも無事だ。

頬が腫れるくらいで生き残ったんだから、安い代償だ。


「2人共ちゃんと着けたみたいだね」

!良かった、ちゃんと間に合ったね!!」

「途中から何処行ってたんだよ」


ゴンとキルアがの姿を見るや否や走って近寄ってきた。


「ゴメンね。ちょっと人命救助に専念してたから」


思ったより騙される奴多くて大変だったんだよ。


「ふ〜ん。後、ちょっとで二次試験始まるぜ!前に行こう!!」


キルアはの手を取り、前へと引っ張って行く。


「ちょ、キルア!」


急に引っ張られて驚くに、ゴンもその後を追っていく。

「あ〜!!キルアずるいんだ!!」


ずるいって…たった数時間で随分好かれたな私。


「う〜ん、ほらじゃあゴンも手繋ぐ?」

「うん!」


なんだか弟ができたみたいでくすぐったい。

先ほどの光景を薄めてくれるほのぼのした空気は、
にとって有難かった。



グルルル ガオオオ ガグゲゴゴ


「……変なうなり声。一体中には何がいるのよ」


何か猛獣でもいるのか?


「でも全然出てくる気配はないし、まぁ待つしかないんだよ」

「もうすぐだね」


掛け時計は後2,3分で長針と短針が合わさる。


「うん」


周りは緊張を強めえる。当たり前だ。何が起きるか見当もつかないし、
急に攻撃されても全然おかしくない。


ピ――ン


12時。

誰かが生唾を飲む音が聞こえる。


正面のドアがゆっくり開く。


中には、巨大な男とまだ若い女が座っていた。


「どおブハラ。お腹は大分すいてきた?」

「聞いての通りもおペコペコだよ」

「……そうか、お腹の虫の音だったのか」


これは予想だにしなかった。


「そんなわけで二次試験は料理よ!!
美食ハンターのあたし達2人を満足させる
食事を用意してちょうだい」

「料理!?」


これもまた予想できなかった課題だろう。

こんな男衆ばっかの試験に料理はあまりにも似つかわしくない。

それでも試験の説明は続く。


「まずは俺の指定する料理を作ってもらい」

「そこで合格した者だけがあたしの指定する料理を作れるって訳よ。

つまりあたし達2人が『おいしい』と言えば晴れて二次試験合格!!

試験はあたし達が満腹になった時点で終了よ」


ブハラが1回目でその次にメンチの順で試験を行う二段構え。

ここで多く落とされるのは目に見えていた。


「くそぉ料理なんて作った事ねーぜ」

「こんな試験があるとはな」


やはり、大多数は自身がないようだ。

さて、最初のメニューは何かな?


「俺のメニューは豚の丸焼き!!俺の大好物!!

森林公園に生息する豚なら種類は自由」

「それじゃ、二次試験スタート!!」



二次試験前半ブハラのメニュー『豚の丸焼き』

参加人数148人