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ヒソカは心地よい殺気にぞくりとした感覚が走り、
嘗め回すような視線でを見た。
「やっと来たのかい◆もうちょっと早く来れると
思ったんだけどなぁ」
待ちわびたとヒソカはゴンの首から手を離す。
それを確認して、も薙刀をヒソカから離した。
「勝手に私の仕事を増やすな。
この子等に手を出したら、全力でお前を潰す」
鋭い、背筋がゾクゾクする殺気。
ヒソカはそれに心地よさを感じ、クククと喉を鳴らす。
「それは魅力のある誘いだね♥安心しなよ。
君のお友達は全員合格だ◆」
ピピピ
ヒソカから電子音が鳴る。
取り出したのは発信機付きのケータイ。
『ヒソカそろそろ戻ってこいよ。どうやらもうすぐ
二次会場につくみたいだぜ』
「OKすぐ行く◆お互い持つべきものは友達だね♥
彼はボクが連れていくよ。
それでチャラにしてくれないかい?」
人を殺すとき独特の顔はどこかへと去り、は
ふうっと大きく息を吐いた。
「ったく。あんたも人殺中毒と変態なくなれば嫌い
じゃないんだけど」
「くく。それをとったらそれはもうボクじゃないよ♦」
そう言って、ヒソカはレオリオを肩に担ぎ、
霧の中へと消えていった。
ヘタ
ゴンが緊張の線が切れたようにその場に座りこんだ。
「ゴン、平気?」
はゴンに手を伸ばして、ゴンはその手を
とって立ち上がった。
「う、うん。大丈夫」
「ゴンも無茶をする。ホントにジンさんと良く似てるよ」
無茶する人間は嫌いになれないけど、心臓にはとても悪い。
諌める様で許している曖昧は笑みが表情に出てしまう。
ゴンは、の言った名前に反応した。
「え?なんでが親父を知ってるの?!」
「あ"」
やばい……ジンさんの事は内緒にしとかなきゃなんだっけ?
ん?でも……。
「ゴン。私はあなたのお父さんを知ってる。私からジンさん
の事を聞きたいなら、この試験に受かってハンターになりなさい。
そしたら話せる限り教えるよ」
は小指を前にだして、ゴンの小指と絡める。
「約束よ」
「……うん!俺、頑張るよ!!それに、の事ももっと
教えてよ。俺はまだの事全然知らないんだよ?
さっきの探しものも教えてくれなかったし」
清い瞳がまっすぐにを見る。
はそれに悪戯な笑みを浮かべて答えた。
「ええ。もちろん」
「!!ゴン!!」
クラピカがこちらへと走ってきた。
「クラピカ!!クラピカは平気だった?」
「それはこっちの台詞だ!まったく、が来なかったら
どうなったか分からなかったんだぞ!!」
「クラピカ、ゴン。あんた達は2人で2次会場に向える?」
「うん、出来るよ。は?」
「私は最後の後片付け。だから先行ってて。直追いつくから」
「……分かった。ゴン行こう」
「クラピカ?!」
「の知られたくないものもあるんだ。私達は行こう」
「……ありがとう」
まだ、念能力の存在を彼等に知られる訳にはいかない。
