#14
「無事か!?」
【【主!!】】【主ちゃーん!おじさんに襲われてない!?】
入ってきたのはカイトとバサラとアニラ、ハイラだった。
足を持ち上げているのがカイトなので蹴破ったのも
カイトなのだろう。
はのほほんとした口調で凄い形相の4人を出迎えた。
「見ての通り平気だよ。手間取らせてごめんね」
トゥエルブモンスターは主であるの命令がなければ
自身の能力を行使することはできない。
その為、3人を闇の空間へ戻さず、恥を忍んでカイトの
元へと行かせたのだ。カイトならば大丈夫と信じて。
「ああ全くだ!どんだけ心配したと思ってる!!」
カイトは憤慨しながらぐいっとの腕を掴む。
「これが一番穏便だったんだよ。貞操だけは守り抜けたしさ」
コレに関しては自分を褒めてあげたいくらい頑張った。
「こんなもん付けられても穏便なのか!?」
カイトの手につく手錠を見てから、こちらに殺気を
向けてくるクロロを睨んだ。
カイトの力量を瞬時に悟ったのか、それともカイトに
触れらてもが何も言われないのが悔しいのか…
どちらもだと憶測する。
「何者だ貴様」
「ハンターだ。が世話になったみたいだが」
そこでバサラとアニラが間に入ってきてカイトの台詞が止まった。
【待てカイト。今は主を連れ帰るのが先決だ】
【こんな所に主を長々置いたこと自体が俺達の失態。
早々に退却させてもらう】
「オイコラ、人のアジト乗り込んでタダで済むと思ってんのか?」
「盗賊からモノ盗もうとは良い度胸してんじゃねーか」
「モノ扱いされるのは普通に嫌だね…」
ウボーとフィンクスの物言いにはそう呟いた。
「、あんたもその手錠の存在忘れてないでしょ?」
マチがに付けられている手錠をあごで指した。
「ああこれ。もう意味ないもん」
はカイトに腕を掴まれたまま絶の状態だった
オーラを一気に溢れさせた。
ゾクリ
背筋に緊張する何かが走った。
「これは、団長が欲しがるの無理ないね」
フェイタンの呟きは、そのまま旅団の心境だった。
凝をしなくても分かるオーラの密度と量。
圧倒するようでいて、包み込まれてしまう感覚に襲われる。
イメージとして浮かぶなら、海。
広大さに圧倒され、吸い込まれるような感覚が伴う海と、
の放つオーラが似ていると感じた。
どんな宝よりも稀有なモノ。
それを今、思い知らされた。
「ね?許容オーバーにするのに結構時間かかったよ」
一応賞金首狩りもしてる身なのに、A級首に
情がわいちゃうくらいにね。
でも、敵になったら容赦はできない。
だから、敵にならないことを祈っておく。
「アニラ」
に名を呼ばれると、アニラはシャラアァンと
腕輪を鳴らした。
「行くぞ!」
カイトは穴が開くとすぐにの肩を抱いて飛び込んだ。
「じゃあね。貴方達と一緒にいたの、結構楽しかった」
穴が閉じる前に聞こえた別れの言葉は、先ほどまでここに
がいたことを残すようにアジトに響いた。
「ありゃー。まさか壊されてたなんて予想しなかったな」
シャルナークは腕組みした体勢のままが
帰ってしまったことを残念がった。
「凄いね。オーラの量も質も今までの人でダントツだよ。
あれがの念獣かー。いいなー」
シズクは一人のんびりとした口調を保っていた。
「あの男の能力は一切の痕跡を残してくれないからな。
今から探すのは不可能だ。っくそ、折角手に入った
と思ったのにな」
オールバックにして広く見える額に手を当てるクロロ。
一緒に来た帽子野郎はの何だったんだ?
少なくとも、が気を許す奴であるのは確かだ。
「どんな仲であろうとも、必ず盗んでやる」
それは、クロロの中で長く変わる事のない確定事項となった。
「おかしいなあ。一応にバンジーガム貼り付けて置いたのに」
ヒソカは切れたガムのオーラを眺めながら呟いた。
この時はまだヒソカはの能力に気づかない。
