こ コンドル
「サザーランドの整列終了」
赤髪の少女は目を閉じてそうライトグリーンの髪をした
少女に告げた。
彼女達の数百メートル先にはサザーランドが並び、
コーネリア総督の指示によりハッチを開けて一人ずつ
パイロットを確認している。
ただ、その数百メートルにはビルなどの障害物があり、
その様子を視界に納めることは敵わない。
しかし、赤髪の少女は、まるで鳥が天空よ下界を眺める
かのようにその様子を中継した。
「かなり焦ってるし、何の対策も思い浮かんでない
みたいだけど、ホントにこの人に任せていいの?」
「さあな。ただ経験不足を補えば見込みはある。
こいつでもダメなら他をあたるだけだ」
「それもそうか。
後3つで彼がいるコックピット」
ライトグリーンの髪の少女、CCは脇に抱えていた黒い
仮面をつけ、赤髪の少女に背を向けた。
「では後で例の場所に」
「わかった。頑張ってねCC」
*
サイタマゲットー内の下水道で、若い男女の2人組が足
音を坑内に響かせながら歩いていた。
男の方の名はルルーシュ。
今世間を騒がせているテロリスト、ゼロの正体にして、
元はブリタニア帝国皇位継承権17位の皇子。
母を何者かに殺され、父に見捨てられ、極東の日本に送
られ死亡されたとされているが、この通り、恨みを忘れ
ず反逆活動に勤しんでいる。
女の方は先ほど赤髪の少女と共にいたCC。
彼女に関しては、生まれも経歴も、何も分からない。
ただ、ルルーシュに授けた絶対遵守の力のように、
不思議な力の譲渡をすることのできる可笑しな存在
ということだけが、唯一の情報と言っていい。
「それにしても気味悪いほど絶妙のタイミングで現れたな」
ゼロに扮したCCに助けられたルルーシュは決まり悪そ
うにCCの隣を歩いている。
もうダメだと諦めかけた途端にゼロに扮したCCが軍の
前に現れた。
そのタイミングが少しでも遅ければルルーシュはここに
はいない。
CCは笑いもせず、さらっと回答を述べる。
「コンドルの目に力を借りたのさ。
ブリタニアに対抗する軍隊を作るというなら、会って損はないだろう。
今からそいつとの待ち合わせ場所に行くが、
お前はどうする?」
CCにそう問いかけられ、ルルーシュは少し考えた。
このCCという女は得体が知れない。
スザクはCCが入っていたカプセルを毒ガスと言っていた。
そして、それを探していたのはクロヴィスの親衛隊。
隙を見つけて逃げ出した後、また親衛隊に見つかり、
こいつは額を打ち抜かれた。
見間違いでも白昼夢でもない。
確かにこの目でこいつが倒れて血を流していたのを見た。
そして、この左目の力は有り難いが、その正体はCCと
同じく不明。
このまま着いて行っていいものかと訝しむ。
ただ、CCの言っているように、遠隔情報を手に入れら
れる者がいるのだとしたら、そいつは是非欲しい。
これからブリタニアに対抗できるだけの軍隊が必要
なのだ。
そこは直接的な武力だけでなく、情報戦も交渉術も
ブリタニアに対抗しなくてはいけない。
そして、ルルーシュは重々しく首を縦に一度振った。
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