黒蝶陰陽師4









「呆れた」


現場である鳥辺野に着いたの最初の一言はこれ。



「ん〜美味ぇ!!」

「温食物 感謝」

「久々のまともな食事だZe!!」

「栄養バランスパーフェクトです。やはり貴族の食事では
こうはいかないですね」

「とりあえず、美味ければそれでいい」


鳥辺野に着いて最初にした事は全員の食事作り。

かなり大量に作ったがみるみるうちに消えていく。

日本国最高の陰陽師達がこんな状態でいいのか?


「特別水が綺麗な場所だから特に米が上手いのだ」

「はぁ、やっぱり食べるならちゃんとしたもの
を食べるのが大事なのね」


はそれらの感想にはかなり同意を示す。


「魁兄、これ食べ終わったら誰かに食料運ばせて。
もう貯蔵すっからかんよ」


は米神を揉みながらお玉を空になった鍋の中に入れた。


「確かに了承した。久々の再会がこの様な形ですまなかったな」


魁は箸を置いて久々に会う義妹に向き合った。


「それはもういいよ。こんな大変な状況なんだし。
…で、依頼主の蛇神殿が見あたらないけど?」


いれば一発で分かるくらい目立つ人だから
間違いなくこの場にはいない。


「蛇神殿はまだ内裏だ」

「そっか。仕事はもう始めていいって事なのかな?」

「拙者が許す。すぐさま手伝ってくれ。
こちらは猫の手も借りたいほど忙しい」


「了解。では改めまして自己紹介をば。辻陰陽師を生業と
していますです。この度は蛇神尊殿の召還に応じ、
はせ参じました」


略式ながらもきちんとした礼をとってその場にいる全員に名を明かす。

それを見て大体の人間はほうっとその礼の美しさに見ほれたが、
猿野と御柳が凍りついたように固まった。


完璧な礼儀作法じゃねーか!

貴族の生活がわずらわしかったんじゃねーのかよ。


しかしその思いは言葉にする暇もなかったので
の作った飯をまた口に含む。

涙が出そうになるくらい美味い。


「この場を指揮している陰陽の助の屑桐無涯だ」

「俺は防御壁の責任者してる暦博士、鳥居剣菱だよ」



すっと前に出てきたのは二人。


一人は黒の頭を高めに結わえてある火傷の男性。

一人は草木を思わせる緑の頭を風車の様に結わえて
あるこちらも男性。


それも当たり前。陰陽道に限らず句を読む以外の学問を
女性が学ぶ事は早々あることではないのだから。

その所為か彼らは私を陰陽師としての手助けとは見ていない
と言っている目をしている。

どちらかというと料理などの雑務をしてほしいと
切実に物語っている。



「状況をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


はその視線を払いのけて話を進めるように促した。


「それは「屑桐さん!また大勢の魑魅魍魎が出てきました!!」


説明しようとした屑桐の言を必死な様子の青年が止めた。


「…まずは片づけからですね」

「ああ、付いてこい」

「御意」



屑桐の纏う狩衣の袖が翻り、はその後に付いていく。
















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