朝から疲れた。
スクールバスから降りて、歩きながら肩を揉み解していると、綺麗
なソプラノの声が聞こえてきた。
「おはよう!今日はお団子なのね。とても可愛いわ」
彼女はユーフェミア・リ・ブリタニア。ルル先輩の腹違いの妹。
彼と彼女の父親、ルイス・ジ・ブリタニアはグローバルに会社経営
をするブリタニアカンパニー社長であると同時に、非常に艶福家だ
とゼノン(父さんの知り合い)が言っていた。
なんでも正妻・愛人の人数は108人…煩悩の数いる。
子供も3桁近くいるらしい。
そんな家庭環境の中でもユフィはとても純粋な乙女に育った反面、
行動力は凄まじい。
私の不安と同性の友達できない悩みを一気に取っ払ってくれたのは
彼女。
英語ができないと悩みを打ち明けて、ルル先輩とスザク先輩を紹介
してくれたのも彼女。
そのことは本当に感謝している。
でも、ルル先輩の性格もっとしかっり教えてほしかった。
「おはようユフィ…この髪型になったのは貴方のお兄さんが原因よ」
「あら、ルルーシュはまたに何かしたの?」
「そうなのあの顔良し頭良し性格黒しの鬼畜ルル先輩!!
ESLの週末テストで目標点数取れなかったからって罰
ゲームに私の髪横カールにしちゃったの!!」
※ESLは英語が第2言語の生徒を対象とした国語(英語)の授業。
怒り心頭でカバンを力一杯握り締め愚痴を飛ばす。
「たった30分でキツキツカールの出来上がり!!
手際良過ぎるっつーの!
自分の父親の髪型の趣味の悪さ知ってるから面白がって
やったに決まって「勿論、面白かったぞ」
……後ろを振り向くのが怖い。
この声の主は、きっと持ち前の美人顔を利用して誰もを魅了できる
笑顔を振りまいている。
そして、私にはそれは冥土の土産代わりのつもりなんだ。
「おはようございますルルーシュ。
あまりに酷い事はしないであげて。
ルルーシュの教え方が上手いから英語ですらすらと愚痴を表現でき
るまで成長したじゃありませんか」
「おはようユフィ。こいつは最初から会話は及第点だ。
日本人にしては発音も綺麗だ。だが、耳で単語を覚えた所為でちょ
っとでも分からないスペルはローマ字で書く。
構文は少し弄くればすぐにギブアップ。この俺が教師役を買って出
てやったんだからどこでも完璧に使えるよう、指導してやってるだ
けなんだが。
俺の熱意は生徒に伝わっていないらしい」
ルル先輩は演技染みたため息を吐いて私をあざ笑った。
ちょっとムカついたので私は反撃した。
「でも目標点数90点以上。しかも罰ゲームが音楽家カールって、
酷いですよ!
もしかしてまだ
“ルルーシュ先輩は女の人みたいに綺麗ですね”
って言ったの根に持ってるんですか!?
言っておきますけど貴方みたら10人中9人くらいは同じ感想持
ちます!!」
「そんなことはない!確かに俺は母似の整った顔だが、断じて
女と間違われるほど女々しくない!!
俺が女に間違われるよりもの年齢詐欺で疑われる方が確率的に
高いぞ。スザクもそうだが、何で東洋系はこう童顔なんだ?」
「人種的特徴なんだから仕方ないです!」
「顔も身長もナナリーと同じくらいにしか見えない。
いっそ初等部に入りなおしたらどうだ?
学園長には俺が一筆書いてやろう」
「とっても大きなお世話ですーー!!!」
「おはようユフィ。ルルーシュはまたで遊んでるんだね」
「おはようスザク。そうなの、ルルーシュったら私そっちのけで
にかまってるわ」
「ナナリーが最近ちゃんとゴン君の話ばかりしてるからそれ
の八つ当たりもあるんじゃないかな?」
そこのほんわかコンビ分かってるなら助け舟を!
「つい最近まで“お兄様と一緒ならそれだけで楽しいです”
と言ってくれたのに、近頃は
“ちゃんとゴン君とキルア君が次のお休みに遊ぼうって誘って
くれたんです。行ってもいいですか?”
だぞ!?
お前の妹みたいに悪戯好きになったらどうするんだ!
否、それでもナナリーが可愛い妹である事実は変わりはしないが」
ナナリーはルル先輩の同母妹で、とゴンの友達。
数年前、ルル先輩とナナリーと二人のお母さんは事故にあった。
その時、ルル先輩は大きな怪我はなかったけどナナリーは脚と目の
機能が著しく低下した。
お母さんは、二人を庇って、亡くなった。
ルル先輩は元々シスコンだったらしいけど、それ以来更に妹至上主
義になってしまったらしい。
全部スザク先輩から聞いた話だけど、そんなことがあったら仕方の
無い事だとは思う、が……。
「の悪戯好きに困り果ててるのはこっちだって同じですよ!
絵の具をぶちまけたり猫のヘアカッティングするくらいなら
まだマシですけど、最近は花火制作したりハッカーまがい
のことはするし!」
「最近の方犯罪に近づいてるよ」
「ハッキングは犯罪です」
あれ?話題になってるちゃんは確か、ナナリーと同い年……
9歳でそんなことできるのかしら?
「あれでもナナリーの前じゃナナリーが楽しめる範囲のことで止め
てるんですよ。
どうやら脚と目のことを最初、無神経に聞きまくったこと、あの子
なりには反省してるようなので。
妹に代わってその事は謝罪します」
がルルーシュに頭を下げると、ルルーシュは途端に苦虫を噛ん
だような顔になった。
「その事は、は気にしてくてもいい。
お前のお陰で随分本の朗読したCDが増えたとナナリーも喜んでいる」
「そんなこともしてたの?」
「英語の練習ついでと私の趣味。
読書は大好きだし、朗読しながらで役立てるなら安い労働よ。
どうもね、私もも人付き合いで大部分の女の子と趣味が合わな
くて、女の友達は少数精鋭が基本なの。
私もユフィが大事な友達なように、もナナリーは大事な友達に
したいのね」
「私もを大事な友達だって思ってるわ」
「ありがと。ユフィ大好き!」
「大好き!」
ユフィとは思いっきり相手と抱き合った。
女の子らしい行動にスザクとルルーシュは苦笑するしかない。
「まったく、女は面倒だな。お互いに好きを何回も口に出すなんて
俺には恥ずかしくてできないよ」
「親愛なる友人がシャイだから僕が代わりに言ってあげてるだろ?」
「そういうのは大きなお世話っていうんだ」
「はいはい」
「会長、あいつら人の目考えてねえっすよね」
バイクに跨ってリヴァルが呟くと、サイドカーに座った
ミレイはフフフと笑ってから、親指をぐっと立てた。
「私が面白ければそれでよし!」
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