#7











「はぁぁ」

でかいため息つくな。こっちの幸せまで逃げる」

「深い深呼吸くらい許してください唐澤先輩」


只今文芸部の部室で涼しい人工の風に吹かれてゆっくり寛いでます。

エアコン万歳。取り付けてくれた新井先輩ありがとう。

昼休みに部室開放してくれる部長もありがとう。


「最近の不調は少しは直りそうなのか?」


石坂がハードカバーの本にしおりを挟んで机の上においた。

ソファーで寝転ぶはビーズクッションに顔を
突っ伏しながら唸って答えた。


「……まだっぽいです」







キィィィン

〜!守備練習にホームラン飛ばすな!!」

「すみません!」






バァァン

「ボール!」

「……ちゃん。これじゃバッティング練習にならないよ」

「ごめんウサギ君」






、さっき事務の人がグラウンド使用の延長許可で
不備あったから直して欲しいって言ってきたかも…」

「うそ!?檜ごめん」


etc …この頃絶不調だったりする。







「体のコントロールがうまくできないんです」


気だるい重みがのしかかっているようだ。


「ぼーとする時間も増えてるよな」


伊藤がそう言うと小野関が、

「でもあんだけ騒がれると疲れても当たり前じゃないか?」

と言い足した。



2回戦の時の報道陣は2・3日で次のネタへと飛びついていった
からまだいいが、それでも学校内に限らずの顔を
知る人間が増え、それの対応に疲れを感じるのも事実。

でも、この不調はそれが本当の原因とは思えなかった。


疲れてるなら文芸部に顔出す日増やしなよ。
野球部が文句言ってきても追い返してあげるから」


外所はそう言ってはいるがの不調には野球部員にも
動揺が少なからず走っているので文句を言う輩はいない。


「ちょっと考えておきます」

今の私がいても皆の邪魔にしかならないし。

今であればネガティブイオンを出せる自信があるね。


ジュース買いに行かない?」

もう飲み終わったの?なら行きますか」




文芸部の部室から出て自動販売機のある中庭を通る
時思いがけない光景を目にした。



「……お猿君、あんた一体何してんのよ」


大鍋使って5合炊飯器が炊き上がりの合図ならしてる。

随分大量のお昼ご飯ね。

沢庵切らないで食べる人を初めてみた。


「やっほ〜楓。お猿君と一緒にお昼なんて一体何事があったのさ?」

炊き出しに精を出している楓へと話しかける


「やっほ〜チンにチン。
あのねボク達昨日から付き合う事になんたんだぁ〜」


笑顔で挨拶返してくれた楓から爆弾発言投下。


「は!?お猿君と楓が?」


はギロリと猿野を睨む。

お猿君凪とはどうしたのよ。でも、私が口挟むような事じゃない。


「それはおめでとうって言っておくかな」

「つーかと知り合いだったのかよ」


猿野はポリポリ頬を引っ掻く。


「私はもみじ繋がりではクラス一緒だからね」


時々もみじとの戦いの仲裁に入ってるし。

もみじも楓も女子の中ではかなり強くて遠慮する
必要があまりない少数の女子。


「恐竜戦車君、チンすっごく強いんだよ。チンともみじチン
が空手部に入ったら全国制覇確実だよ」


ああそりゃそうだろうな。

猿野は確かにそうだろうと確信する。

楓はの肩に腕を回して自分の部活にさりげなく誘うが
はごめんといつもどおりに断りを入れる。


「私は空手の段は持ってないしね。私たちは戻るから。
2人きりの邪魔してゴメンネ。行こう

「うん。お邪魔様でした〜」



の手をとっては文芸部の部室へと足を進める。


はちょっと言い難そうにの顔を盗み見た。


、怒ってるの?」


歩調が、ほんの少し緩まった。


「猿野君の事好きとか?」

「それは絶対あり得ない」

「そんな全否定しなくても…」

「お猿君には悪いけど、八つ当たりだよ」


ちょっとだけ…お猿君は大神さんに似てるからか。

今まで凪と一緒になるのかなって漠然と思ってたのが
外れたからか。

見上げた上に広がる空は青と白。

変化しても変わらない空。



「難しいよね」


主語のない一言。


は色々大変なんだね」


の一言にそう返した。


「生きてる限りずっとそうだよ」


私は手の抜き方が下手だから。


























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