#37 最後の大役
『7−6!!最終回の十二支高校猪里君の執念の
一振りによりひっくり返りました〜〜!!!』
アナウンスの力強いマイク音と共に
獅子川に続き猪里がホームベースに戻ってきた。
選手達は急いで猪里を出迎えにそこに待ち構えた。
「はいかなくていいのか?」
監督はベンチに腰掛けながらへと言葉をかけた。
皆は今回の大活躍者の猪里に手荒い歓迎を受けている。
「いいんです。それに、次の用意しなくちゃですから」
さーて、ここらでもう1つの最終兵器登場させましょう。
「子津君、それに平田先輩は監督と一緒に
ブルペンに来てください」
は戻ってきた選手の中でキャッチャー補欠の平田、
それに子津を呼び、道具を持たせてブルペンへと行かせた。
その2人と監督を見送り、次は猿野へと姿勢を向けた。
「さーて、お猿君。行きますか」
「おっしゃっ!特訓の成果を見せてやるぜ!!」
「柿枝先輩ベンチをお願いしますね」
「ん?任せておきな」
柿枝の了承を得ると次はと猿野が一緒に出て行く。
残された者たちはどうして猿野も行くのか頭を捻らせていた。
そして・猿野は更衣室へとやってきていた。
は大きなバックからキャッチャー用品を取り出していく。
そして後ろにいる猿野へとどんどん渡す。
「さっさか着ちゃってね。平田先輩じゃ間違いなく
燕を捕れないから。特訓が無駄にならなくて良かったよ。
あまりにも急いだから不安は尽きないけど」
なんせ燕捕る以外のキャッチャーの仕事まったくしてないもの。
「フフフ、甘いな。この俺様にかかればキャッチャー
の仕事なぞ1日で古●を越すぜ」
「古●選手に謝れお馬鹿猿」
なんつー妄言と暴言吐いてんのよ。
「…ったく、あんたには緊張の2文字があるのか疑わしく
思うよ。用意はいいよね?じゃぁ、いきますか」
は猿野が着替え終わったのを確認してドアを開ける。
そして向かう先は、子津が投球練習をしている室内ブルペン。
時は少し遡る。監督に連れられて牛尾は室内ブルペンへと
やってきた。
「監督…?なぜわざわざ室内ブルペンへ?」
外でやった方が早いのではないかと
牛尾は当然の疑問を投げかけた。
「……あれだ」
監督の目線を追って自分もそちらへと目を向ける。
当然ながら目線の先はマウンド。
そこには後輩である子津が立っていた。
「こいつを相手側に見せる訳にはいかんからな」
子津が地面に付くかと思うほどに手を下に滑らせる。
投げられた球は牛尾を驚かせるには十分なものだった。
「子津君!!じゃあ監督例の球が…「喜ぶのはまだ早い」
監督は牛尾の言葉を一旦切らせた。
「見ての通りだがどうやら受け手を決めるまでには
至っていなかった様だ。
つまり、奴の球を捕球出来るキャッチャーがいない」
キャッチャーをしている平田のミットは球を弾いてしまう。
これでは使い物にならない。
「は!?何いうんですかこんな時に!?悟空を生き返らせる日を
一日間違えた界王様じゃあるまいし」
「お、落ち着け牛尾。らしくないぞ。
今まではずっとにキャッチャーも指導も任せてたからな。
あいつを使えるのが一番なんだがは女だ。
辰羅川なら対応できたかもしれんが奴は交代して使えない。
事前に三象でも試したのだが奴でもこの球は受けられなかった」
監督はことごとくこの球を使う可能性を塗りつぶしていく。
「すんません。あんな球初めてなもんで」
「球だけあってもな、使えればと思ったが仕方ない。
ここは「ちょっと待った監督!!」
ブルペンから廊下に続くドアが開け放たれ
大声が監督の会話をさえぎった。
「キャッチャーは用意してあります。一回これを
見てから判断してください」
「、それはどういう事だ?」
監督はそんな話は聞いていないと眉をひそませた。
はドアの前からちょっと中に入ってドアの前を開けた。
「遅れてすいません。こいつ着込むのに手間取っちまって…」
そして、猿野が入ってきた。
キャッチャーの防具とマスクを着て。
「反論はこれ見てからです。子津君、お猿君用意はいい?」
「はいっす!!」「当たり前だ!!」
そして、監督・牛尾・平田は目を疑う光景を見る。
NEXT