#25 責任
『十二支高校に思わぬ伏兵が現れました〜〜!!
ピッチャー鹿目君 キャッチャー三象君の
凸凹バッテリーが最大のピンチを脱しました〜!!』
「すげー鹿目先輩!」「十二支の救世主だ!」
「鹿目君凄いじゃないか。それが魔球Xの発展型かい?」
「遅れたな。すまなかったのだ」
「いんや〜しかしすっげぇ球っすNe」
十二支サイド、最悪の6回を乗り切って盛り上がる。
「おいっあんなのありえるのか?分身してるだけならまだしも
それぞれ違う軌跡で変化するなんてよ」
「なぁ見た!?兄ちゃん今の球っ!
面白えよ!俺んとこはやく廻ってこねーかな」
由太郎は新たな球に胸を高鳴らせている。
「むう…かような変化は初めて見るな」
黒撰サイドは新たな球"魔球XX"にどよめきがわき上がる。
「十二支も結構層が厚いよね〜タイプがまったく
違う投手がいるんだから」
「右手完治?」
7Bサイドは武軍も観戦しているのでそれほど驚きなし。
「ほ…?カーブとシュート一球で二度おいしい球っすね」
「ま、実体は1つに決まってんだけどな」
ざっこざっこと録は菓子袋の最後を口の中に納めていく。
「…つか録先輩、それ俺の菓子っす」
「んなのもう関係なさ気(‐д‐)/」
華武サイド……またしてもプチ後輩イジメ発生。
「今の球は魔球Xとは少し違ってたっすね」
子津が誰もが思った疑問を口に出した。
「うむ…奴が以前から魔球Xの開発をしていた事
は知っていたが、武軍戦で見せたあの球は
初期段階に過ぎなかった様だな」
監督も魔球XXの存在を知らなかった。
「そうですよ。監督が島に来ない間に徹底的
に完成を急いだので何とか間に合いました。
"魔球XX"はここに来てやっと真の姿を
現させてもらいました」
はしてやったりとやっといつもの調子を戻してきた。
7回表は打線振るわず、あえなく三者凡退。
7回裏は9番波羅田をパスボールで歩かせるものの、
1番小饂飩・2番緋慈華汰・3番沖の
上位打線で3アウトをとってチェンジ。
試合は8回へとコマを進める。
攻撃に入る前に十二支は監督とを中心に円陣を組んだ。
「いいか、こちらの反撃のチャンスは後2回」
「しかし1番から始まる回はこれで最後です。
つまりこの回はすべてのかかったラストチャンスなんです」
監督、の順にこの回の重要性を語る。
監督はの書いたデータに目を落とす。
「村中魁の球は主に2種。球質の重い剛球と超高速ナックルだ」
「今からナックルの方を攻略するには時間・余裕共にありません。
今後は直球1本に絞る方向でいくのが上策かと」
の言葉に影を落とさないものはいなかった。
「あ…あのよ」
今まで静かだった猿野がここで口を開いた。
「これって本とは俺の……守備のせいだよな?
2回も3回もヘマしちまったらさすがにやべぇよな」
それに、否を唱えられる者はいない。
確かに守備の穴になっていたのは本人の
言う通り猿野なのだから。
ここでの慰めは慰めにならない。
「すっすまねぇ!!でも、俺、こんなんで
このまま負けたら死んでも死に切れねーよ!!」
ガクッと膝と手の平の地に付ける猿野。
そこに。
「阿呆」
スパシンッっと小気味良い音が猿野の頭からした。
が持っていたノートで猿野の頭を叩いたのだ。
「お猿君さ、いつもの馬鹿元気ここで発揮しないで
いつ有効活用できるって言うの?
確かに反省してるのは進歩してる証拠だし
それはいいのよ?でもここでは前向きに次を考えなさい。
反省が後悔になって次に繋げないんじゃ、
本当に負ける確率更に高くなっちゃうんだから」
「の言う通りだZe。何でそーお前は
1人で野球やってるつもりになるかNe?」
虎鉄が猿野の頭を無理やり前を向けさせる。
「猿野よ…お主はすでにバットでチームに
大きく貢献しておるぞ。それに彼奴の小町に
関しては我が攻略の目星をつけている也」
蛇神も虎鉄に続いて猿野に声をかけた。
重大な単語と共に。
「え!?アレに何か弱点でも見つけたの!?」
ウサギ君が驚きの声を上げる。
魁兄の小町に弱点。私には思いつかない。
そして関係ないけど、蛇神先輩、
うちの義兄を彼奴呼ばわりですか…。
「僕も剛球に関しては次必ず打てる自信がある。
もう同じ轍を踏むつもりはないよ。猿野君、
一人で重荷を抱え込まないでここは全員野球で
村中君から点をもぎ取るんだ」
「は…はい!!」
猿野は牛尾の励ましに声を張り上げて答えた。
「いくぞ〜〜!!!」
「「「「「「オオ〜〜〜!!!」」」」
気合を入れて、試合再開。
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