#18 忍耐
第3修練脱落者を連れて戻ると、残って特訓していた者達が
騒がしくしていた。
「どうしました?」
は何事だろうと駆け足で集団に近づくと。
「やぁ君。遅くなって済まなかったね」
「我等もこれから緊急合宿に参加する。補助を頼んだぞ」
輪の中には部活の主力である牛尾と蛇神が包帯は巻いている
ものの、初戦前と同じように元気な姿で立っていた。
「牛尾先輩!蛇神先輩!良かった。もう平気なんですね」
「これから様子を見ながら特訓に励むよ」
「分かりました。新しい特訓メニュー参加者も交えて説明を始めます」
新しく交じった7人を呼び、同じく個々のデータカード
を渡していく。
「てことなんで、各自メニュー開始してください」
「よくもまぁここまで調べ上げたものなのだ」
自分の事が事細かにかいてある紙と睨めっこして
鹿目はため息を吐く。
「鹿目先輩の例の投球はないと黒撰戦が本気で困るので
急いで完成させて下さい」
「君、なぜ僕がツイスト打法を学んでいる事
を知っているのかい?」
どう見てもこの練習メニューはツイスト打法を意識している
としか思えなかった。
「牛尾先輩の振り子打法の弱点は屑桐さんとの勝負で決定的な
ものになりました。だから、新しい打法をするならツイスト
打法が一番効果的ですから」
それぞれの質問に返答をし、部員達のメニューをこなす手伝いをする。
「あ、そういえば牛尾先輩。監督はいつ到着と?」
「明日には間に合わせると言い残して本土に戻っていったよ」
「そうですか」
あの人、一体何をしているのだろう。
そこまでは知らされていないから私も分からないんだよね。
それに、棟梁が自ら見ているという猿野・子津・犬飼・辰羅川
の特訓内容も知らない。
まぁ、大体は予想できるし、子津君は間違いなく燕の特訓だろう。
生き残りと脱落者の料理の比重が段々と近づいてきた。
もう後数日でこの合宿も終る。
そう、明日の最終試練でふるい落としは終了。
そこで生き残りが脱落者の復活を望むかどうかに
すべてがかかっている。
「まぁ、もう何人か棟梁の小屋に乗り込んで
来ようとしてきたし、そんなに心配はいらないでしょ」
仲間を失う事程、悲しい苦しみも早々はない。
私はそれをの件で重々承知はしている。
「よっしゃ、完成。運びますか」
夕飯作りも終了し、脱落組みの生活する宿舎まで運んで行く。
「皆さん、夕ご飯です」
「わぁい!やっとご飯だよお腹もうぺこぺこ」
兎丸がいの一番に出てきて、が持っている
荷物を片方持つ。
「いつもすまないね君」
「いえいえ、これが私の仕事ですから。こきりちゃんも良く働いて
くれますし、それ程苦になる作業じゃありませんよ」
牛尾がしゃもじを持ちながら会話する姿は
何度見ても本当に似合わない。
そんな奇怪な光景を目にしながら脱落者の食事は進んでいく。
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