#14 こきりとの出会い



太陽も海へと沈み切ると、岩から降りて教えられた道を
ザクザクと進んで行く。


歩いて見ると、本当に小さな島だと思った。

半日あれば十分島全体を歩き回れるだろう。


そうこうしていると、確かにログハウスいや、言い直そう
山小屋が建っていた。


あれがそうか。


はその家の前まで来て、引き戸をノックする。


「は、はい」


キイィとドアを開けて出てきたのは小学生くらいの女の子。


「あなたが、こきりちゃん?」

「そ、そうです」

「私はこれからお世話になる十二支のマネージャー
兼部員のだよ。これから1週間よろしくね」


「よ、よんろしくお願いしますです」


が右手を差し出すと、オドオドしながらも握手を返してくれた。


「うん。こきりちゃんは、棟梁とここに?」

「夏休み中はいるです……」

「そっか、小学校はもう夏休みだもんね。
私の荷物、何処にあるかわかる?」

「ここに、置いてあるます」


こきりが指差す場所にはの鞄が置いてあった。


「あったあった。ちょっとゴメンネ」


は鞄からケータイを取り出す。

ケータイのディスプレイにはアンテナが辛うじて1本立っていた。


「良かった。電波はあるんだ」


は電話をかけ始める。かけた先は自分の家。


義母が出たので簡単に帰れない理由をウソを織り交ぜて話す。

そして、1週間は戻らないと伝えて電話を切った。


「これで、良し。こきりちゃんはもう夕ご飯食べた?」

「ま、まだ食べないです」

「じゃぁ、棟梁の分も一緒に作って先に食べちゃおうか。
まだ後2時間はかかるはずだしね。後敬語はいらないから」


はこきりを安心させるようににっこり微笑む。


「う、うん」


まだ、緊張感は抜けきれていないが、それでも、
の後に着いて行く。




厨房に立つと、こきりはエプロンをに差し出し、
こきり自身は割烹着を見に付ける。

こきりも料理は慣れているようで2人は手際よく料理を作っていく。

この分なら、60人強の料理も平気かな?


はまな板の上の豆腐を切りながら、思ったよりも
有能なパートナーに安心した。


「お、お姉ちゃん」


こきりがに初めて話しかける。


「どうしたの?」

「あの、ご飯終ったらお風呂いくですか?」

「ああ、お風呂ちゃんとあるんだ。うん、海水に浸かったから
体中ベトベトなんだ」

「大きいから、一緒入るますか?」


はにかみながらこきりはそう言った。


「うん!一緒に入っちゃおうか」


可愛い妹が出来た気分で何気に楽しそうながそこにはいた。






「雨、止まないね」


お風呂に入って小屋で棟梁達の船を待つのだが。

ゴロゴロ ピッガアァ

雨どころか雷まで鳴り出してきた。


「ひぁっ!!」

こきりは恐そうに身を縮める。

こきりの様子をみて、はこきりを優しく抱きしめる。


「この家の中いれば平気だよ。雷なんてすぐ過ぎちゃうさ」


ポンポンとこきりの背中を叩いて安心させる。


「………うん」


こきりもまだ、震えてはいるが、少しだけ、笑った。


「お姉ちゃん、ありがと」

「はいはい」


とこきりはそのまま遠ざかっていく雷雲を
眺めながら島の訪問者達を待っていた


















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