#08  前哨戦










「虎鉄先輩…やってるんですか?」


まさか、ただの言い合いから中継で野球勝負を
する事になるとは欠片も思わず、問題を起した張本人の
虎鉄を睨み付ける。



、スマネェが胸クソ悪くて我慢できなくてな。

…あいつは中学で同じ野球部だったんだが、これが奴の当時の写真だ」


ピラリと財布から出された写真を全員で覗きこむ。

そして、指差された人物は、今とは似てもにつかぬ肥満男子。


「間違いなく、雛壇の入学当時だな」


忍は間違いないと同意を表明する。


「……随分ダイエット頑張ったんですね」


その努力に感服。


「あいつ、何故かいつも俺につっかかってきてNa。

返り討ちにはしていたんだが、俺の知ってる奴はあそこまで
いけすかねぇ奴じゃなかったZe」



凪に手を出した事が嫌だったのか。


それとも、ほかの理由があるのか今本人にしか分からない。





















ドームに入ると、しっかり準備されたグラウンドが広がっている。


「あんまりこっちの手の内見せないで下さいよ」


「ああ、わかってるSa」


バットをもってボックスにはいる虎鉄。


しかし、横から猿野が押し入り、先に対決。


が、1球はファールしたものの、あえなく三振。




「なかなか良い球もってるじゃない。Rスライダー。一応は視察して正解かな」


「ったくみっともNeー。割り込んでおいて返り討ちにあうとはNa」


落ち込みながら帰ってきた猿野に肩に手を置いて、次を引き継いだ虎鉄。


「とにかくお役目ごくろーさん。元々は俺から売ったケンカDa」


「負けたら承知しませんからね」


「わーってるSa」






やっと大将戦へとも連れ込む。



「スライダーはスピードが速い分変化が小さな球種のはずですが、
初めて見ましたよ。あそこまで大きく鋭く曲がるスライダーは」


辰羅川の緊迫のこもった台詞のごく1部にあれ? っと
が打席から目をそらしての方に顔を向けた。


、皆には魯捺羅(ルドラ)見せてないの?」


は意外とでも言うように目を丸くする。


「それ以前に皆の前で投手をしてすらいないから。

見せたのは婆由(ヴァーユ)と因陀羅(インドラ)だけだよ」


さんもスライダーを投げられるのですか?」


辰羅川も一緒になってに目線を向ける。


「まあね。辰君、今は対決に集中しよう」


そして、2アウト。また虎鉄先輩の癖が出てしまった。




そして、3球目。


「下に落ちるKスライダー。

中々いいもの持ってるじゃない」


さん、この状態をみてよくそこまで落ち込まないでいられますね」


「ん?対策はもう立てられたでしょ、辰君?」


なんてことはないと言った様子で答える。


あれなら、私たちは対策方法を知ってるからね。

ここで負けてもそれほど心配はしなくていいと思う。























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