#05   明嬢視察団




武軍との試合から数日。

牛尾、蛇神両名を欠いての練習も段々と慣れてきて、
次の2回戦も目前に近づいてきた。



「全員集合!!」


はミーティングのため、声を張り上げて部員を集める。



「「「「はい!!」」」」


良い返事と共に学年ごとに整列が完了した。







「次の2回戦の相手が決まった。私立明嬢学園…」


羊谷は先日決定した次の対戦校の名前を告げる。


「あのアイドル校がか?!」「本気すか〜!?」
「あの学校1回戦勝てたのかよ!」 
「こりゃ、2回戦楽勝っすね!」


 次の対戦校の名を聞いて部員達が次々に口を開きどよめいた。

どうやら皆の意見は楽勝で一致しているみたい。
しかし、私達のように急成長する学校もあるし、気は抜けない。



「相手校は、アイドルで有名な高校。
野球の実力はたかが知れているとは思いますが…、
初戦突破したくらいですし、念には念を入れ、
視察を行いたいと思います。そこで、視察のメンバーですが・・・」


「ちょっと意味分かんねぇよ!!アイドル校っつったり
・・・楽勝っつったり・・・まさか本気もんのアイドルでもあるまいし・・・」


その言葉に、猿野が話の内容についていけなくなり、口を挟む。


「そうか…お前は知らんのか。明嬢学園は、芸能分野に特化した、
アイドル養成学校の総本山だ…」


羊谷は簡潔に答えを告げる。確かにアイドル高で野球に時間をかけて
いるかと問うとそれに明確な返答を返してはきそうにない。


「という訳で、視察メンバーは私と行きたい人にしたいと思います。
誰か立候補はいますか?」


そういうと、猿野と虎鉄がさっと手を上げる。


この2人と?無理だ。助っ人が必要だな。


猪里先輩は今日は用事で途中で帰っちゃった。

ウサギ君は連れていくとはしゃぎそうだし、そうすると司馬君も却下。

子津君はまだあれがある、犬君は……アイドル校に連れていくと
スカウトされそうだし止めておこう。そうすると…。


「…このメンバーじゃ不安なので、
ストッパー役として凪と辰君を推薦します」


妥当な線ではこの2人だろうと名を上げる。


「2人共、良いか?」


羊谷が推薦を受けた2人に視線を向けて確認を取る。


「はい」「分かりました」


辰羅川・凪の両名は快く承諾してくれた。


「では5人は明日、明嬢へ行きます。
メニューは各自に渡してあるメニュー表に添って行ってください。
これにて今日の部活は終りにします」


「「「「「あっしたー」」」」」」


さて、次の対戦相手は…どんな高校なのかな?









次の日、私達5人は明嬢高校の校門前に佇んでいた。


「でっかいなー」


猿野が思わず呟く。

そこに、警備員の中年男性が私達に声をかける。


「君達どこの生徒?他校生なら入場料500円だよ」

「金取るのかYo!!」


虎鉄が誰もが思う意見を言った。


は変装して校内に入ろうとした猿野を首根っこから押さえながら言う。


「しょうがないですよ。部費から何とかしますから、
今日の所は?!」


急に名を呼ばれ、会話がストップする。


「おやシノブちゃんの知り合いか?」

「え?忍って、まさか?!」


私は警備員の言った名前に振り返る。そこには懐かしい人物がいた。


「忍!!」


私がまだソフトをしていた頃の日本選抜チームの仲間。
京極忍の姿がそこにあった。


「やっぱりか、髪切ったんだな。気付かなかった」


「なんだ、シノブちゃんの知り合いだったら入っていいよ」


そういって5人は易々と校内に入れた。

蚊帳の外に追いやられた虎鉄・猿野・辰羅川・凪は急な
人物と展開に目を白黒させながら校門をくぐった。





















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