#01 野←球→蹴
「ちょ…ちょっと…何すかこれ?」
「子津君、私にも分からないから聞かないで…」
いつもならグラウンドではバックネットと
ダイヤモンド型のフィールドがあるはずだ…。
しかし、今見えるのはどう見てもサッカーフィールド。
部活はどうした!?
『これより十二支高校とブンデス高校の試合を始めます』
そのアナウンスと共に出てきたのは…
サッカーのユニフォームに身を包む野球部員。
今日からMr,FREEKICKが始まります。
「って!んな事あってたまるか!!!」
「全く納得出来ないっすよ!!」
子津とは同時にツッコミを入れた。
ああ、今日は文芸部の方に出るべきだった!
牛尾先輩に蛇神先輩早く帰ってきて!!
そして、言いたい事言って落ち着いたは
こうなった今までの経緯を問うた。
「で、何があってこうなったんですか?」
「あのね、ちゃん。これは人助けなんだよ」
いつもと違う格好で楽しそうに笑うウサギ君が
やっと理由の発端を教えてくれた。
「人助け?」
「昨日の部活終了後に3−Aの数浦先輩が野球部の
部室を尋ねてきまして、サッカーぶ全員が食中毒
で倒れてしまっているので代打して欲しいと言われまして」
「それを鹿目先輩が受けちまったんだよ」
説明し慣れてる辰君がそのまま要約して、次に犬君が続く。
「うん、それまでならまだ話はわかる。でもね…
何で私までユニフォーム着る羽目になるの!?」
そう、いつどおりに更衣室に行くと桃坂先輩と栗尾先輩が
楽しそうに企みの笑みを浮かべて近づいてきてそのまま
成すがままに着せられてしまった。
言っておくけど私は私の攻撃に耐えうる奴にしか
普段攻撃しないから。先輩達なんて絶対無理。
「サッカーには女性は出場できないと言うルールはないので
女性も可ですから。だったら強い人をいれた方がいいと
満場一致で昨日決まったのですよ」
※黒蝶伝説内のみで作者が勝手に作りました。
「ふ〜ん」
少しは、分かってきたかな?
「本当は、ちゃんのサッカーユニフォーム姿
見たかっただけなんだけどね」
「可愛いばい」
はとても個人的な欲求の為に騙されていた。
「で?ポジションはどうなってるの?」
「それが悩んでいるんですよ。セオリーの4−4−2
にすべきか、5−4−2にすべきか」
「後は3−5−3でどっちにも対応能力を高くするとか」
「にモミーそれじゃ普通すぎんだろ。ここは0−0−11で」
「そんな負け決定するような布陣をしいてたまるか」
で、ラチがあかないので結局アミダくじ。
猿野・犬飼―FW
兎丸・虎鉄・獅子川・鹿目―MF
司馬・猪里・辰羅川・子津―DF
結構上手く分かれたじゃない。
でGKは三象先輩で…完成っと。
「サッカーなんて久しぶりね」
皆元気にしてるかな?
浮かべるのは中学時代の知り合い。
ある少年はドイツで療養中を聞いたが、
彼ならば怪我にも負けないで頑張っている事だろう。
ホイッスルが鳴り響く。
敵さんも出てきたし、始めるか。
「キックオフは十二支から」
お猿君がボールを蹴ってそのままウサギ君へと渡った。
『あっと十二支中盤の動きがいい。巧みなボールさばき
で前線に運んでいきます』
相手の滑り込みも難なく避けていく。
「兄ちゃん」
「よしきた」
ボールがお猿君に渡った。
胸でボールを受け取るとそのまま足をゴールへと向け蹴った。
「喰らえ!これが俺のバナナシュートだ!!」
『あ〜っと猿野君シュートで!これは強烈だ!
強烈なバナナだ〜〜〜!!』
「何で本物のバナナ飛ばしてんのよ!!」
しかし、何故か本物の猿が美味しそうにそのバナナを貪る。
その間にボールは大きく軌道を曲げ、サッカーゴールへと
収まった。
『ゴール ゴール』
「相手になんて失礼な試合なんだ……」
ブンデスもこんなサッカーをなめてる相手で心底怒りを
感じている様に見受けられる。
ボールは相手校、ブンデスへと移る。
主将らしい人間、亜門須がボールを1人で前線へと
運び、がら空きのゴールにシュート!
が、それをさせまいと子津がクリアーに回って
顔面ブロックで防いだ。
メゴッ
「オイ子津!何、石崎師匠みたいなガッツあるプレーしてんだよ!!」
「さ…さるのくん…ボールは…まだ生きてるっすよ…」
そう言い残し、子津は意識を手放した。
「ね、子津君!!」
はそれを見て、子津に近づく。
「子津君、平気!?」
「さん…これ位、大丈夫っすよ…」
「いや、全然大丈夫には見えないから!!」
こりゃ、休ませた方が良いな。
そうこうしているうちに猪里先輩が子津君のクリアー
したボールを敵に渡らないようカット、虎鉄先輩に渡り、
鹿目先輩が剃刀シュートを決めた。
前半十二支2点先制。
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