#27 成敗





「あった!!アレです!!」


アンテナやらケーブルやらがあちこちに張り巡らされている車を発見。



はヘルメットをとり、中継車のドアへと急ぐ。


石坂も直にバイクを止めてそちらに向った。


ガチャ ガチャ


「やっぱり開いてないか」


「任せろ」


石坂はを押しのけ、奇妙に曲がった針金をポケットから取り出した。


「軍隊の割には簡単な鍵つかってるなっと終了」


針金を鍵穴に入れたと思ったら少し上下左右に動かしただけで


静かにドアは進入を許すように開いてしまった。


「先輩…実はルパ●3世ですか?」


それとも又特撮に感化されて練習したのか……。

もう呆れるどころか脱帽だ。


「ふっふっふ。こういう手のは任せろ。入るぞ」


「あいさー」


そっと隙間から入り込むと、予想は見事に大当たり、ディスプレイが壁一面にあり、

そこには細かいグラウンドの数値と風景が映し出されてる。



敬遠に必死に抗うお猿君とそれを応援する会場。


それに怒りを感じているのかお陰でこちらは全くばれていない。


「大局の見えぬ愚民共が……よりにもよって我が軍が臆病者の集団だと…?

グフフ…いいだろうそれ程一球を望むならくれてやろうじゃないか・・・

作戦を変更する。彼奴に敬遠なぞ生ぬるかったわ…よいか大和。

彼奴等は武軍に仇なす敵だ。殺「そうは問屋は下ろしてくれないのが世の理ってね」


「あの猿は猿は猿でも負けざるだよ」


ガシッ


っと瑞鳳監督を後ろから取り押さえる石坂。


そして、頭の通信機を取り上げる

「な、なんだ貴様等!!一体どうして?!」


バレない自信が強かったのか、瑞鳳の慌てぶりは見ていて

してやったり。という気分にさせる。


「ここまで色々されて気付かない訳ないでしょう?詰めが甘くちゃ

戦争は生き残れないですよ」


「っふ、しかしこれで終わりだ!!死ねぇ!!!」


ディスプレイの正面には猿野の顔面目掛けて飛んでくるカタパルト。


「俺は死なねーぞ!!!」



縦に垂直にバットが振り落とされる、大根切りで球を打ち返した。



ほら、最後の最後まで諦めないのが勝敗を分けるのよ。



「御自慢のカタパルトも打たれちまったな」


石坂は押さえ込んでいる瑞鳳を見下すように声をかける。


「うぬぬ。しかし、打球はピッチャーライナー!!捕れない球ではない!!」


「それが爪が甘いって言うんだ。あれの馬鹿力は甘くみちゃいけない」


「「突き破れ!!」」


と、猿野の声が協和する。


バチィィ


大和は堪え切れずにグラフもろとも球を手放した。



「うし!!そのまま本塁にもどれ犬君!!」


「は、離せ!!急いでセンターに座標修正値を伝えねば!!」


「はッ!!お笑いだな。ここでお前の邪魔をするのが

俺等だけと思ったら大間違いだよ」



「何?!どういう意味だ?!」


石坂の自信満々な物言いに響くように返す瑞鳳監督。


「画面見てみろよ、見えるのはなんだ?」




そう、画面には、一杯一杯にカメラに顔を近づけた十二支野球部達。


『ハロー提督殿。その命令は聞けないであります』


最高じゃない。



「それで、このケーブルを抜けばすべて終り」


プツリ


これでグラウンドとここを繋ぐものはすべて消えた。


コレを直すのはこの試合中は無理。


「おのれ〜〜よくも我が武軍が誇る最新機器を……」


「自業自得。策に溺れたね瑞鳳監督」


『セ――フ!!!6−5!!十二支遂に逆転だ〜〜〜!!!!!』


アナウンスの音が最大で耳に入ってくる。



「良くやった猿野天国」


裏切らないでくれて、ありがとう。


、こっちは俺が処理するからお前は球場に急げ」


逆転されたショックで座り込んだ瑞鳳を放って石坂はへと向き直る。


「……石坂先輩、何から何まで有難う御座います」


「じゃあ次の部活で水羊羹持ってこいよ。あれ好きなんだ」


「喜んで!!」





そして、暗い中継車から飛び出して、十二支の応援席を目指す。









最後の大一番はこの目でちゃんと見たい。

























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