#26 正体見破ったり










病院の玄関を出るとすぐにバスかタクシーはないかとあたりを見回す。


!!」


名前を呼ばれて振り返る。そこには。


「石坂部長!!どうしてここに??!!」


バイクに跨ってエンジンを鳴らす石坂。

どうしているのだとは目を見開いた。


「今日、ちゃんと見に来たんだよ。そしたら蛇神と牛尾が倒れるし…


とにかく乗れ!!話は行きながらだ!!」



ヘルメットを投げ渡され、言われた通りに急いでかぶって石坂の後ろへと乗る。



「しっかり掴まってろ。いくぞ!」



ブオォォ ブオォン 



とけたたましい音をたてて二人を乗せたバイクは球場へと折り返す道を急ぐ。











「で?何があったんですか?」


病院まで来て、私を乗せて戻るにはそれなりの理由があるのだろう。

は石坂の後ろに座って風を切る感覚をフルに体感しながら

どうしてあそこにいたのかの説明を求めた。


「武軍の奴等、スーパーコンピュータか何か使ってズルしてやがる。

は薄々感じてたんじゃないのか?」


その言葉に、驚きよりも納得した。

一拍間を置いてからは口を開いた。



「ええ。華武も、他の高校も、5回からは誰1人エラーをしていません。


だから何かやってるなとは感じていました」


にしても、そんなものまで使うとは……。


沸々と負の感情が胸に煮えたぎる。



「今、直角モミアゲの指示で野球部員が手分けして

情報伝達してる奴等の場所を特定している。俺等は大元を潰す!!


あんな頑張ってた2人を……2人が大好きな野球で故意に

傷つけるなんて許せねぇ!!」



好きな競技を愚弄され、自分の友人を傷つけられた怒り。

その怒りは今、バイクの速さで発生している強風にも似た

荒々しさと決意を見せていた。


「ええ、私もです!!」



こんな苛つく試合は初めてだ!!
















バイクを走らせる事数分。

旗が一本減っている球場のスタンドが風景の一部として目に入ってきた。


球場が見えてきた。後もう少し……ん?


「石坂部長。中継車って二台も来るものでしたっけ?」


確か、武軍の方にももう1台あったよね。


「いや?普通は1台で十分だぞ…まさか?!」


そう、中継車なんて高価な車をたかが地方高校野球の1回戦で

2台もTV局が用意するはずがない。


「十中八九間違いないです。武軍側のTV局のロゴがない方でしょう」


それが、大元のいる場所に間違いない。


「しっかり掴まれ!!回るぞ!!」


「はい!!」


ギュウゥゥン


迂回して反対側、そう武軍の応援席側を目指してバイクを走らせる。


敵の位置を知ったからには、逃がしも許しもしない。




















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