#24 仇討ちとの対峙
かわってスタンドの7Bサイド。
「6回で2−6かちょ〜〜と厳しいかしら。
しかも何なのあの代打の子、イモくさいわねぇ。ちょっと〜〜剣ちゃん?
大体何で私達がこんな無関係な試合わざわざ見にこなきゃいけないのよ。
ちゃんは出られないのに」
紅印が不満げに剣菱を責める。
「あれ〜?てか言ってなかったけ、妹が十二支でマネージャ始めたらさ〜〜
早速妹に目を付けてきた奴がいてね〜〜。この前ライバル宣言されたよ」
「じゃあ、その男がこの中に?」
紅印は合点がいったと話を先取りする。
「ああ…そいつが本当にライバルに相応しい男なのか確かめに来たんだよ。
なんかさ〜〜ちゃんもビミョーにそいつに目を掛けてるしね〜〜」
それを俺の目でしっかり確かめさせてもらうよ、てんごく君。
「プレイ」
「かかってこいや〜〜!!!」
「ふ〜〜ん補欠君ほどボックスで吼えるもんだね。
一打席で散るセミのような存在だからな」
妙高が腕のコンピューターをいじる。
こいつ1年か…データが少ないな。
てっきり黒帽子の村中が出てくるかと…。
「ねぇ、ちょっと補欠君、何で君が出てくるのさ。
黒帽子の村中は?」
あいつ用のデータを折角作ったのに無駄になっちゃうじゃないか。
「黒帽子か、お前等でも気付かなかったのか」
意味ありげに笑う猿野。妙高はそれが気に入らなかったようだ。
「?それ、どういう意味さ」
「それは、後で教えてやるよ。ほれ、さっさと放れよ」
なんだよ、一番後ろに立ってビビっちゃってるくせに。
じゃあ決まりだね。
大和が横に手を振る。サイドだ。振りかぶった。が、球が何処にも見当たらない。
しかし、手は空。
オイ!どうなってる?!球は何処にいきやがった?!
猿野は球を捜す。
すると、いつの間にかに球が目の前にきていた。
慌ててバットを振るが。
「ストライ〜〜ク!!」
「チッだから言ったRo。消えるってYo」
虎鉄がベンチで舌打ちする。
それとは正反対に妙高がマスクの下から意地の悪い微笑を浮かべる。
フフ。大和さんの人並み外れた長い腕が可能にした超サイドスロー
ステルスサイド
レーダーから姿を消すステルス戦闘機の様にこの球は打者の視界から忽然をと消える。
「決めた。君はこのままステルスで殺…ん?」
妙高が途中で言葉を止めたのは猿野の立ち位置の変化に気がついたからだ。
猿野はホームベースに張り付くように立つ。
「おっしゃー来いトーテム!!これでお得意のサイドも投げられねーだろ」
猿野が大和を挑発する。それに答えるように、投げられたのはまたステルス。
「ストライクツー!!」
「次は、逝ね」
そう言ってステルスが投げる。
あと一歩だ。あそこなら…
この試合、心せよ。
綺麗な虹を見るためには少しの雨宿りはつきものじゃないか。
大事な人や仲間からの期待や責任
…そいつを簡単に放り出す奴。そいつぁ絶対男じゃねーよ。
私がグラウンドに立てない代わりに、
お前等が思い知らせてやれ。
4人の言葉がフラッシュバックする。
俺は、何回も何回も仲間を、を裏切った。
それでも…は俺を見捨てないでいてくれた。チャンスを残してくれた。
ここで打たなかったら……全部が駄目になっちまう!!!
「いけってんごく!!」
剣菱の声と共に、猿野は足を踏み込んで……。
「うらあぁぁぁ!いっちまえ〜〜〜〜!!!!」
ギイィィィン
球は、高く、そして、速く、天を駆け抜ける。
バキィ
放たれた球は、大会旗を叩き折った。そして、場外へと落ちていく。
「入った〜〜大会旗を叩きおった〜〜!!
場外ツーランホームラン!!4−5!!!」
場内中が思わぬ事態に騒ぎ立てる。
「な…なんちゅーでけぇホームランだ。あの代打何者だ!!」
「おっしゃ猿野でかしたぜ!!」「ここ一番でテメーがやってくれるな」
「ザマぁ見やがれ武軍共め。今更泣いて詫びたって絶対許さねぇからな」
、お前の言うとおり、野球で思い知らしめてやったほうがすっきりするぜ。
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