#08 見切り








『3番 ライト・武蔵くん』 


「グフフ、園児は射撃の的になりたくなかったら、おウチに避難してるんだな」



 うわー高校球児として(むしろ人として)色々間違った人が出てきちゃった。

…いや、今更だった。今までだって野球どころか高校生に見えない人は沢山居た。

魁兄やら、三象先輩やら、蛇神先輩やら、桜花さんやら、極めつけは土本さんか?

反対にウサギ君とかユタ、沖君は小・中学生に見えるし……。


「な、何だ!あいつボルトついてるぞ!フランケンかよ!?」


「いや、土木工事用にだけ造られたショッカーの改造人間だ!!」


仮面ライ●―かよ!!そんな事で改造されてたまるか!!







妙高が武蔵の脇に立つ。


「武蔵、例の"剃刀"は、座標修正−15でピッタリのハズだ」


「賢しいな。細かい計算は俺の性に合わん」


ズシンという音を立てながら歩く。


「フン。思ったより曲がらんか。チョロチョロおイタを働くガキは、粛正せんとな」





「鹿目先輩の性格からして、あの空振りは、内心相当プライドに響いているでしょうね」


「うん。後で八つ当たりが誰かに降りかかるだろうな。

でも、鹿目先輩はそんなに簡単にはやられはしないよ」


そんなに簡単に潰れるほど、ウチの先輩方は弱くない。










「プレイ!」

「よう、おチビさん。俺には見せ球なんか要らんぞ。

はよ、そのカミソリなんたらをよこしてくれや」


ニィ、と笑って挑発する武蔵。


「フン…そうか。武軍の犬は教育が行き届いている。

自ら死地に行き急ぐとは…話が早いのだ」


鹿目先輩が構える。


「お望みどおり!その図体、鱠のように切り刻んでやるのだ!!」


投げた、剃刀カーブ。


「こいつか!カミソリは!聞いた以上に切れねぇ球だな!!!!」


ガキイィィン



打たれた!球はライト側ラインの更に右へと柵越えをした。



「ファール!ファール!」


審判は大きな声と動作でそれを伝えた。


「オイオイ、今の何か変化したか?打ちごろ過ぎて手元が狂っちまったわ。

一つ忠告しとくがな。武軍にはこんな玩具の刃でケガしちまう

腑抜け野郎は、一人としていねぇぞ。
悪ィが、その剃刀は妙高のコンピューター

にはすでに入力済みよ。皆、知っとる。残念だったな。

最早武軍にとってそいつは、とうに旧兵器ってワケだ」


精神攻撃もお手の物なようだね。


「あっちの情報能力はこっちよりずっと上…」


やっぱり、剃刀カーブの情報が漏れてる。

練習試合しまくったからそこからだろうな。

犬君やお猿君は途中からは出てないからあまり研究されて無いとは思うけど…。

彼等が私達の試合を見てたとしても華武戦以降の筈だ。

それまではそれ程強い高校とはメイクできていなかった。




「な…何て奴だ。ピンポン球みたいに飛ばしたぜ…」

「カミソリが通用しねぇなんて…どうすりゃいいんだよ」



鹿目先輩は…って!!オーラが!!ドス黒いオーラが溢れてる!!!


「なるほど…そういう所は、一端に戦らしくやっているのか。面白い」


しかも口調が違う!!あのハ●太郎とか、バ●ボンのパパみたいな口調が消えた!!




「ほっぺ先輩にも、ご奉行様降臨か?!」

「それは私のことか、お猿君!!」

私のキレた時に名前が付いちゃったじゃない!!




















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