#03 獅子川劇場
「くそ〜〜〜!オレ様が出てりゃ、あの軍人共をのさばらせやしないのに!」
「あんたは謹慎中だから駄目」
「あんなトーテムの球、楽勝でパカパカ打ってやるのに〜〜!くそ〜、くそ〜〜!」
「トーテム…。言い得て妙だね」
「くそ〜〜〜!!こうなりゃ振って振って振りまくってやる〜〜!!!」
そういってお猿君はふるポテを勢いよくふる。
「うん。しっかり振れてて美味しいよ」
振り終わったポテトが私のお腹に納まる。
「Shake!」
「コーラは振っちゃ駄目でしょ」
そして司馬君、レコード回すの上手いね。
「何だぁ、十二支っつーのは張り合いなさすぎだぜ」「一回戦だ。こんなモンだろ」
「2番もウドの大木だったしな。もっと骨のある男はいねぇのか?」
好き放題言う武軍ベンチ。その内の一人が持っていた双眼鏡が。
ズギューーン
という音と共に壊れてしまった。それに驚いたのは武軍だけではなかったであろう。
「オ…オレの双眼鏡が…!!」「敵襲か!?」
獅子川先輩が銃口から出る煙を吹いた。
「おー。ナイスコントロール」
小さく拍手を送る。
「さん、ツッコミ入れるの、疲れたんですね」
辰君が眼鏡を上げながら言う。
ああそうだとも、図星だよ。
その間に獅子川劇場が始まった。
「あぁん!?漢ッて何だ?筋肉ばッか鍛えた奴の事か?そいつぁ違うな」
ッチッチッチと指を左右に振る。
「度胸のある奴?ケンカの強ぇ奴?全ッ然違うね」
親指で力強く自分を指した。
「It's me.漢ッてのはオレの事だ」
「獅子川さーん!!」「かっけ〜〜!!」
賊軍から歓声が上がる。
先程のパフォーマンスでさらに勢いがついたようだ。
『3番 サード・獅子川くん』
アナウンスで自分の名がよばれ、獅子川はニッ、と笑った。
「ヘイ!牛尾坊ちゃんにエロ猿野。オレの生き様、よ〜〜ッく見とけ」
「ププ、グラウンドで銃乱射…明日の新聞の一面が楽しみですなぁ」
お猿君は犬君と似たような笑い方で茶化す。
「猿野君、彼のプレイをよーく見ておくといい。
あのカタパルトを最初に打つのは、獅子川君かもしれないからね」
牛尾先輩がお猿君に注意を促す。
そういえば、私、ちゃんと獅子川先輩が打つ所見た事ないんだよね。
練習試合はお猿君の変わりに出る時以外は他のバックアップしてたから。
「キャーーー!獅子川くん!!ニヒルでアウトローな貴方もいいわ!!」
女の子の黄色い声。
「ここは危険だ。女子供は家にけぇんな」
先輩、ここ戦場じゃないです…。
「あんなんが何でモテてんだコラ…」
同じモテないキャラだと信じていた猿野は獅子川を睨みつけながら恨み言を吐く。
「…ゴメン。さっきのは私もカッコイイと思った」
はポツリと暴露。
「「「「「「何ぃィィ??!!」」」」」
周りの皆が一斉に驚く。
「えー、さっきのは格好いいよねー。凪」
いつもがいつもだし、余計かな?
「ええ、そうですね」
ほら凪も同意してくれた。
「な、凪さんまで〜〜」
お猿君、情けない声を出すな。
獅子川先輩がバッターボックスに立った。
さて、何が始まるのか楽しみだ。
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