#61 緒戦の相手









『以上、165校全ての抽選が終了致しました。選手の皆さんの健闘を祈ります』


アナウンスを聞きながら猿野を引っ張り、階段を降りていく。

まぁ、これで、2回戦で華武、という最悪の事態だけは避けられた。


「でかした!!十二支はBブロックだ!」

の頭をわしゃわしゃと撫で回す虎鉄。

「これでAブロックの華武とは、決勝まで当たらずにすむ」

牛尾も監督も猿野も喜び、を褒める。

「ナハハ!これで初戦はもう楽勝!!頂いたも同然っすね!!」

「それは違うよお猿君。だって「ずいぶんと見くびられたもんだな、俺達も」

声のした方を向く。

「な…」


そこには、4人組が立っていた。

「十二支は何処か。声はすれど姿が見えぬが」


妙に背の高い男。2m20はあるんじゃない?


「何だよ、こんなヒョロヒョロでなまっちょろい奴らばかりなのか?十二支ってのは」


頭にボルトをつけた、筋骨隆々の男。


「んーー、身長・体格・年齢・髪型・声質のデータから分析して、

この4人は99.99%の確率で、十二支高校の主将 牛尾(3年)

虎鉄(2年)、猿野(1年)(1年)だね」


頭に変な装置を装着している奴。そして顔の下半分まで覆った奴。

共通点は全員が迷彩柄の服を着ている事だった。


選手じゃない私までよくわかったな〜。


「な…なんだテメー!!気持ちわりぃ!ケンカ売ってんのか!?

高く買うぞコノヤロ〜!」


「面白ぇ!お嬢ちゃんは殴れないが、俺様1人で野郎3人共相手してやるよ!!」


筋骨隆々の男の肩に、顔の下半分を覆った男が手を置いた。声は出さずに、手話で伝える。


『ケンカ  よくない  監督 怒る』


「…うっ!!しっ、失礼しました!!」


慌てて敬礼する。去り際、猿野に笑った。


「命拾いしたな。1回戦、楽しみにしてるぜ」


「なっ…何だよ!あの軍隊かぶれの野郎共は!?」


彼らは緒戦の対戦相手だよ。そして、軍隊かぶれじゃない。

本当に軍隊のようなものなんだ」


スラリと真実を告げる。


「ええっ?」


驚く猿野を尻目に牛尾が持っていた資料をめくった。


「予選の序盤に華武と当たるかどうか注目が集まっていたけど、

もう一方の128番の相手も、もっと注意を払うべき学校だった」


 冷や汗が一滴。


「武軍装戦高校」

 あの噂が本当なら…。僕らの引いたクジは、どちらも地獄行きだったのかもしれない…。



牛尾の予想が明確になるのはもうすぐ。
































運命の抽選会も終わり、長かった地獄のロードもその全日程を終了した。


十二支高校地獄のロード。全20試合の結果は通算成績・19勝1敗。


ちなみに、猿野・犬飼・辰羅川の3名は謹慎中。


そのせいなのか猿野・犬飼のイライラは頂点に達しかけていた。


そのお陰で私が沢山試合出れてラッキーだったけど


…良い意味でも悪い意味でも、自業自得でしょ?








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