#48 危険なパーティー
「『JSの若きソフト選手達よ。ようこそ我が家へ。
私がこの家の主、ゼノン=レオハルトです。今日は存分に楽しんで欲しい』」
金髪で顔がとてもゴージャスな20代の男の人がゼノン=レオハルトだと紹介を受け、
李燕さんが通訳してくれた。
その後、一通り挨拶をして、パーティー会場のテラスに案内された。
『李燕、手筈は出来たか?』
『ええ。いつでも開始出来ますよ』
『合図は言った通り。無理強いはするな』
『了解しました』
その会話は当人だけしか聞いていない。
会場ではASのメンバーもいたが、何人かとは真紀の通訳を通じて仲良くなれた。
後は単語とジェスチャーでカバー!
ライトを守る菅原真紀はアメリカに住んでた事があるから英語はペラペラで
ASにも2人、昔のチームメイトがいるそうだ。
『は凄いわね。こんなにちっちゃいのにあんなにソフトが上手いなんて』
仲良くなれたキャシーが話しかける。
ゆっくり、丁寧に話してくれたので何となくで意味は理解できた。
「ちっちゃいのは気にしてるんだよー。
皆は大体160cm前後以上なのに私だけ150cmでさ。
だから、身長を補うぐらい頑張って練習してきたんだもん。そう簡単に負けられないさ」
の台詞を真紀が通訳する。
『あら、それは私達も同じよ。またいつか勝負しましょ。次は負けないわ』
「こっちだって負けないよ」
真紀はそう言って、3人は笑い出す。
「―、真紀―。こっちにアイスあるでー。一緒に食べん?」
そう関西弁で近づいて来たのはセンター大塩佳奈子。
「アイス?!食べる食べるー!!」
は真紀とキャシーから離れてそっちに向って行く。
『はアイスが好きなのね。
試合中はとても強くて冷静で気に食わない人に見えたけど、今はとても可愛いわ』
『うん。ソフトしてる時と普段の性格が全く違って楽しいよ』
『貴方達にとても可愛がられてるみたいね』
『私達はに心底惚れ込んでますから』
『あら、大胆ね。でも分かる気がするわ。あの子のプレーは試合をしてる
相手の闘争心と充実感を与え、観戦者を楽しませて魅了させてしまうもの』
キャシーは昨日のの姿を思い返す。最初は嫉妬で一杯だったのに
いつの間にか最高の高揚感と達成感に包まれていた。
今までで最高の試合だった。
『本当に、不思議な子なのよ。だからこそ、強くて、脆いから危ないの。
だから私達が支えてあげたいの』
『を支える事が出来るJSが羨ましいわ』
そこまで話して2人も皆が集まっている方へ歩いていった。
*
時間も夕方に迫り、JS、AS共にそろそろホテルに戻ろうかと思い始める時間帯。
「、何処に行く?」
レフトを守る京極忍がに声を掛ける。
「お手洗い。場所は李燕さんに聞いたから大丈夫」
「…私も行く」
「そう?んじゃ行こう」
そう言って2人はテラスから家の中に入った。
『李燕、』
『はい』
ゼノンが後ろに控えていた李燕に合図し、達に続くように李燕がテラスから姿を消す。
『さて、蝶を籠に仕舞う時間か』
「?どこだ?」
トイレから出て来て友人の姿を探す。
が、目の前には見渡す限り広い廊下が左右に伸びているだけ。
「可笑しいな。は先に出た筈なのに
…まさか…いや、まだ決まった訳じゃない一回テラスに戻ろう」
忍は踵を返してテラスに向う。
「琴美、を知らないか?」
「?忍と一緒にトイレ行ったんじゃなったの?」
ピッチャーとショートをと交代しながらやっている切原琴美が逆に聞き返す。
「いや、いなくなってしまった」
「そういえば、いつの間にかレオハルトさんと李燕さんもいない。
…皆にも言って探そう!!」
どうやら忍と同じ結論に達した琴美が急かす様に忍の腕を引っ張る。
「ああ」
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