#44 危険人物の侵入
「こんな訳で大納言伴善男は応天門の変で左大臣源信の失脚を狙った訳だ」
淡々と教科書の内容を要約してこ黒板に書き、ノートに書き写す。
ついでに今教壇に立っているのは監督もとい羊谷先生。
公立校だから監督でもしっかり教員もやっている。
いつもの授業風景。もうすぐ4時間目も終了する。
そうしたらお昼だ。でも先刻とお菓子食べちゃってあんまりお腹は減っていない。
欠伸を噛締め、授業に集中する。とそこに、その均衡を崩すものが現れた。
ピンポンパンポン。
と本来授業中には鳴らないはずの連絡を伝える放送が聞こえてきた。
「授業中失礼します。1−E、さん。至急事務室に来てください。
もう1度繰り返します…」
「……嘘、もう来たの……」
その放送を聞いて呆然とする。
「、至急事務室に、と言いたい所だが、お前の親父から話は聞いている。
早退を許可する。後は何とか言っといてやるから」
「先生有難うそれでは皆、今日はこれにて私は逃げ、もとい帰るから」
鞄を机に乗せ、逃げる準備をしていると。
『そうはいかないよ』
「キャ――!!ゼノン=レオハルトよ!!」「嘘、本物?!」
「なんだってこんな有名人が?!」「隣の人もカッコイイ!!」
教室中の生徒が思わぬ有名人の登場に騒ぎ出す。
しかしその中で、1人違う行動をとる生徒が1人。
「やば!!しょうがない窓から」
「さん。無駄です。外にはすでに部下達を配置してありますから…」
ゼノンの隣にいる東洋系の男が言う。
「李燕さん!!」
どうやらその男の名は李燕と言うらしい。
「お久しぶりですさん」
『久しぶり。会いたかったよ』
「ゼノンも久しぶり。会いたかったと」
李燕はゼノンの通訳をする。
「こっちは未来永劫会いたくなかったわ。
何で急に学校に乗り込んでくるのよ!!」
「こちらもあまり時間が取れませんから。で、話したい事は分かっていますね?」
「答えはNOだって言ってるでしょ!!」
「ですが、やはり貴方の力はこのまま見過ごすのは勿体無いでしょう」
『その通りだ。いい加減私の元に来ておくれよ』
「ゼノンもこう言ってることですし…」
「何て言ってるか全く分からないから!!」
英語は全教科の中で最も苦手なのよ!!
何の言い争いなのか良く分からない会話。
周りの生徒は何がなんだか分からないという様子が伺える。
「っていうか何でココが分かったのよ!!絶対分からない自信あったのに…」
「Msキサキ=ウシオが
『息子が=というPretty Girlを家に連れてきた』
と言っていたからサ!!」
急にゼノンが片言で日本語を喋りだした。
「ゼノンって日本語喋れたの?!」「嘘―。凄いー」
「ウシオって3年の牛尾先輩か?」「だよな。牛尾先輩ん家行ったのか?」
周りが更にざわめきだす。
その時はそんなルートで自分が知られるとは考え付かず、唖然としている。
「Talking timeはそれ位にシテ。、一緒にアメリカに来てもらうヨ」
ゼノンはに手を伸ばすが。
「お生憎様。私は今ココを離れるつもりは毛頭も存在しない。
だから、逃げる!!」
はゼノンの手を弾き飛ばして、脇の間に入り、2人の目の前から消え、
廊下に飛び出し、走って昇降口に向う。
隙を就かれた2人はの姿を見送ることしか出来なかったが。
李燕は素早く携帯を取り出し、電話をかける。
「Aチーム、向ったぞ。捕まえるか屋上に追い込むよう誘導しろ」
『Yes,ser』
携帯から屈強そうな男の声が漏れる。そして、電話を切る。
『私達も行きましょう』
『OK』
2人も教室を後にする。残されたのはE組生徒達と羊谷のみ。
「何が何だかわからないっす」
子津はそれだけ呟くように言う。
クラス一同、無言でそれに同意した。
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