#39 終了
監督同士が向かい合う。
「羊谷監督。貴校の思いもよらぬ健闘、実験の試合としては有益な結果を収められた故」
「ハハハ。実験ルール、とてもユニークでしたな。
こちらも埼玉一の胸を貸してもらい、選手達もいい経験が出来ました
…次は、是非正式ルールでお手合わせ願いたいものです」
目には、光が見えている。
仮面の下で、菖蒲監督は何を思ったか。それは本人にしか知ることは出来ない。
「礼!!」
選手達が、互いに頭を下げた。
半限ルールとはいえ2軍を破り、1軍を追い詰めたその力、侮り難し。
十二支高校。今大会の台風の目になるやもしれるな。
これが、が十二支に拘る理由なのか。
「オラーーー!!いつまでシケた面してやがる!!
今日はこれから埼玉一にボコボコにされた記念に、ヤケ食いに行くぞ〜〜!!
チクショー!もうヤケだ!今日は食うぞ!飲むぞ!!」
「帰りは大丈夫なんですか?」
「おう、帰りは救急車で帰るから心配すんな」
「病院行きじゃん!!」
そんな危険になるまで飲むつもりかあんた!!
校門を出ようとしたところではある事を思い出した。
「あっ。そうだったすみませんが、先に行っててください」
はメモ帳を取りだして、華武へ戻る。
屑桐さんは…っといたいた。
そこには後ろを向いて皆と歩いている姿だった。
「屑桐さん!!」
歩みを止めるよう呼びかける。
「、どうしたんだ?」
「これ、この前作ったドリンクのレシピ渡せなかったので」
レシピが綴られたメモ用紙を屑桐の前に差し出す。
「ああ。スマンな」
それを素直に受け取る屑桐。
「いえいえ。今日は本当に有難うございました。
久しぶりに本気の試合がやれて、本当に嬉しかったです」
その光景を見ている華武ナインは。
「……何であの2人はあんなに仲良さそうなんすか〜」
御柳が不貞腐れたようだ。
「知らない気。少なくともミヤは嫌われてる気だけどねー(>v<)V」
朱牡丹が御柳の心の傷を深く抉る。
此の侭でいる訳にはいかない。俺は、は本気だ。
此の侭だと屑桐さんにどころか馬鹿犬に奪われる可能性すらある。
それだけは許せねぇ。
「ッチ。!!待ってくれ!!」
御柳は屑桐との話を終了させ、戻ろうとしていたの腕を掴む。
「……何さ」
は機嫌の悪そうな顔で御柳を見る。
「マジで悪かった。だから機嫌直してくれ」
「……何でそこまで私に拘る?
たとえ私があなたを嫌いでもそれ程困る事態ではないでしょう?」
なんか女の子なんてスパッとトカゲの尻尾みたいに切っていってしまいそうなのに。
っとこれは偏見かな?
「…知らねぇ。でも、お前が俺に素っ気無いのは寂しい」
本心。それが分かれば、許さないのは唯の意地悪だ。
「…次やったらお猿君と同じ事になるから」
……あの攻撃の数々を受けるのは絶対遠慮したい。
「わかった」
「ならよし!!」
「さん゛」
久芒がに声をかける。
「どうしました?」
「さん゛の言っだ華武じゃ出来なくて、十二支で出来る事って何?」
「そう気(>_<)/うち等の方がずっと上なのに、訳分かんない気」
華武の面々はの回答を待つ。
「…なんて事はありません。立っている場所の違いです」
「場所?」
「あなた達は天空に住まい、地上を見下ろす双頭の龍。
対して十二支はそこへ行こうと翼をはためかせる鷹。
……私は、ソフトでは龍でした。
だから今度は鷹になって上を目指したかっただけですよ」
「双頭って……」
「セブンブリッジ高校。あの学校も十分龍を名乗れますから」
そこまで説明して、はもと来た道を歩いて行き、
後ろを振り向かないで言葉のみを華武に向ける。
「そして、鷹ももう一校ありますよ。では、これにて失礼します」
黒選高校。あそこもまた私達と同じ。
頂上を目指し、その可能性を持つ鷹。
は手を振りながら雨の中を走っていった。
が去った後、華武ナインは各々での言葉を考える。
「鷹っていうのがが認めた学校気?」
「そうだと思いング」
「そうだとしても、潰すだけっしょ。
……屑桐さん、だけは渡しませんよ」
「……それはこちらとて同じ事だ」
「ミヤー、俺等の存在忘れてない気?」
「そうだべ。さんが欲しいのは御柳だけじゃなイング」
争奪戦参加者はまだまだ増える。
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