#23 目には目を
ツーアウト、ランナーなし。バッターは猿野。
「オラこいや〜〜!海賊野郎共!!テメーら2軍にゃ用はねーんだ!!」
「…それで?言いたい事はそれだけか?その2軍に大したハンデもらってんだぜ」
「ったく、おめでてーな。半限してんのがテメーらだけだと思ってやがるんだからよ」
驚く華武の2軍達。
「何ッ!?どういう事だ!」
「オレ達十二支も既に半限ルールを敷いている」
猿野が声を張った。
「まず第一項・全員半そで半ズボン」
寒っ!!
「うちの監督は、女子マネへのセクハラがバレて給料が半限だ」
「そんなことしたら、大変なのは監督だけじゃなくて家族も大変じゃん」
「バカ犬はパカパカ打たれすぎて人気が半限急降下。つーか、もう人気0だ」
「それはお猿君の願望っしょ!!」
「三象先輩は身長が半限」
「がああああ」
「かわいいのだ」
「ちっさ!!!」
「そして、女子マネの着ている服の布面積も半限」
「んなの誰がやるもんか!!」
「そしてとっておきはオレの寿命が半限」
私は蹴りで、他の女子マネは凶悪な武器で猿野を攻撃中。(嫌に説明的)
そのままくたばれ!!
(注:少林寺拳法は不殺活人です)
「こりゃまいったね。2軍でこのレベルかよ」
呆れすら混じった感嘆を漏らしている。
「監督は…この試合についてどう思われますか」
それに、牛尾が近づいた。
「目的の為にこのルールに甘んじた監督のお考えは、
いたく理解しているつもりですし、尊敬もしております。
しかし…今までの数々の監督の特訓や試合は、確かに型外れではありましたが、
その根底は平等であり、チームの結束力を高め、
責任能力を育む目的があったと感じます」
牛尾は拳を震わせ、声を荒げる。
「しかし、この半限野球とやらは違う!
外野ナシ・2イニング連続攻撃の6アウト!
これはハンデなんて言葉では済まされない!
しかも向こうの監督はこれを"試合"ではなく
"実験"と称し、我々で遊んでいるだけです!!」
「牛尾先輩……」
返り血を拭きながらは牛尾を見る。
明らかに、華武は十二支を見下している。
猿野が打ち損じた。セカンドゴロ。アウトになった。
「監督…これを"野球"とは呼びたくありません」
「牛尾…本当にそう思うなら、やるべき事は1つだ」
華武の攻撃に移る。
「野球を愚弄する者は、野球を愛する者には勝ち得ない。
それを証明するのがお前の役目だろう、牛尾主将よ」
その通りだ。野球で見下されてるなら野球で返せ!!
「打ち上げた〜〜!!」
犬飼のカットファストボール・"蛟竜"。
それが、バッターのことごとくを討ち取っていた。
「クソ!何手こずってんだ2軍共は!」
「みんな、あの球威ングにおされてんな゛」
鼻をかむ久芒。
「し、菖蒲監督…2軍にあの半限は、少々荷が重すぎたのでは…」
「笑止」
ホホホ、と笑う。
「あの程度の投手を打ち崩せぬ輩に、華武の名を語る資格は無き故」
「その通り故」
お猿君!!何そのひょっとこのお面は!!
「行ってきます」
いつもの事だとベンチから立ち上がった。
「頼んだ」
は華武ベンチへと向う。
「あんなヘボピッチャー、陣痛が始まった妊婦さんでも打てる代物故」
「ホホホ、ぬしもそう思うか」
いや、打てないから。妊婦さんにそんな無理な運動させられないから。
菖蒲監督も頷かないで!!
「かあーーー!!その首頂戴いたす!」
それをあっさり軍配で受け止めた!!
「曲者だ!者共、であえであえ〜〜!!」
監督の隣に座っていた紅葉が不審者の侵入を伝える。
「ホホホ。そち、名を名乗られよ」
「我の名は猿小路キモ麻「キエーーーー!!!!」
軍配で殴った!!猿野が死んだーー!!
今、お面動かなかった?!やっぱりあのお面何かあるよ絶対!!!!
「余の首を取ろうなど、まだまだぬるいわ…ホホホ…」
そこにが到着。
「馬鹿者を引き取りに来ました。お騒がせして申し訳ありません」
「ご苦労だな」「問題無いング」「はどこでも大変気だね(-▽-)/」
「つーかずっとコッチのベンチいろよー」
「御柳芭唐、私まだ怒ってるから話かけないで。
久芒さん鼻水出るんだったら、小鼻の上あたりを揉んで見てください。
少しは鼻の通りが良くなりますよ」
は近づいて来た御柳にもう1発拳を入れる。
「わがったング」
「では戻りますのでこれにて」
は猿野の足を掴み、引きずりながら華武ベンチを後にした。
「ふっ。脆いな」「ミヤー。ずっと落ち込まれてても邪魔気」
「―。悪かったって言ってるのに〜μ」
本日2度目の落ち込みのるつぼに嵌まっている。
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