十二支から華武に視点を移す。

「カットファストボールか。……あんなの投げる奴が十二支にいたとはねぇ。

どうだ御柳。2軍の奴らは打てそうか?まあ、2巡目にもなりゃ、ボチボチ打ち始めるかな」


半分寝ていた御柳が、フーセンを破裂させた。


「いや…あのヒト達じゃあ、あの球は打てないっしょー」

「そりゃねぇだろ!?あいつら2軍だが

そこらの学校じゃ1軍レベルなんだぜ。打てねぇってこたぁねーだろ!?」

「まあまあ先輩。何なら打てるか賭けましょーや」


そう言って取り出したのは2つのダイス。


「面白れぇ、大小バクチか?ならオレは大だ。合計7以上12以下!」



「じゃあオレは…

2以下で」




ダイスを放る。


「オ…オイ!2って言ったら…」


手の甲で捕る。視線は、犬飼へ。

犬飼の眼光をものともせず、フーセンを膨らませた。

右手に乗せられたダイスの数字は。


「な〜〜〜〜んちゃって。賭けはオレの勝・ち」

「うおっ!ピンゾロ!!そんな…まさか!?」


御柳が。不敵に笑った。

二軍共じゃ到底打てねーよ。

なぜなら、オレがあの球を打ち砕くからな。



「わ〜すごーい。犬飼くんのコーリュー!!

どーゆー握りでやんの〜?教えて〜!!」


兎丸が犬飼の周りをぐるぐると走り回る。

微笑ましくその様子をベンチから見ていると。



2人はヨガみたいなポーズをして、

どこから持ってきたのか分からない布団に寝っころがった。

何してるのあの2人?















1回裏、十二支の攻撃。

「行っけー!十二支の特攻隊長!!」

「あいよ〜〜!!ぼくの足で掻き回してやるかんね!」

「1番、センター・兎丸くん」


楽しげに舌を出した。


「刻、来たれり。半限野球発動。ゆけ」


この回から半限野球か。



「守備範囲半限。これより、我々の守備範囲は内野までの6人故」

「なんッじゃこりゃーー!内野抜けたら点入んじゃねーかッ!!」

「外野にゃあ球を通さねぇっつーのKa!?」



「そして第二項。ストライクゾーンの半限」

十二支勢の反発を軽やかに無視。

「ストライクゾーンを正面から25マスに分けて考える。

7・8・9・12・13・14・17・18・19、この4マスをまず半限。

さらに加えて、3・11・15・23の4マス。

これでおよそ半分の13マス削減」


 ストライクゾーンは4スミだけ、か。

「貴校のストライクゾーンは、残った12マス。

他のコースはボール球としてカウントして構わぬ故」

「……華武に行ったときから思ってはいたけど、

あの人は外見以上に中身が他人とは異なりまくってる」


じゃなきゃ女の私を試合に出して見ようとは考えないだろう。


「どうですカ、ファニーボーイ。まだ足りなければもっと減らしてもOKデスよ?」

2軍キャッチャー、野木久が見下したように兎丸に話かける。


「なーんか思っきしイージーモード設定してくれっちゃったよねー。

頼んでないのに。こんなんじゃ、こっちもクリアしなくちゃ恥ずかしいでしょ〜?

それとも、そっちが負けた時の言い訳作っちゃってるとか?」


 ムカつくからぜーーったい頭越すかんね!


「特にピッチャーさん、後で泣いたって知らないかんね」

「……ふーーーん…それで?」


帥仙さん、そっけなさ過ぎでしょう。


「スバガキ!関係ねぇ!あんなのこえーのは顔だけじゃい!!

所詮2軍だ!恐るるに足らねーぞ!!」


「お猿君それは違う。帥仙さんの球も凄いよ」


は真剣な表情でグラウンドを見つめながら言う。








「プレイ!」



「左投げか!」


内野越して泣かしちゃうもんね〜〜!!


「Hey兎丸!その球にゃうかつに手ェ出すNa!!」


虎鉄が兎丸に注意を促す。

師仙さんは屑桐さんに次ぐ、華武のbQピッチャー。


「うっ!?」

球が抉るように曲がっって無理やり打ったが。

「それで?どーしたって?ガキが」

あっさり捕られた。

「スクリューボール…攻略には骨が折れますよ」

はそうは言っているが。

「……もう、打った奴が言う台詞じゃないだろう」






帥仙は苦い顔をして呟く。それは十二支の耳には入らなかった。



















NEXT