#17 因縁の対決 牛尾VS屑桐
そして、急遽、辰羅川がキャッチャーを務めることになった。
「いいのかそいつで。もっと頑丈なキャッチャーにしといた方が身の為だ」
投げる体勢に入る。
「あのフォームは!」「体をあんなに捻って投げられるのかっ?」
「トルネード投法」
「今の埼玉地区であの球をカッキーングできる奴はいねぇな゙」
朱牡丹と久芒が何の心配もしていない様子で2人の決闘を見守る。
ガゴオッッ
辰羅川の顔面に勢いよく屑桐の球が当たっった。
その反動で辰羅川の首がサウンドバックのようになって倒れていく。
「辰〜〜〜〜!!!!!!!!」
やばっ!!まさかこんな展開になるとは予想してなかったよ!!
は急いで十二支の所へと走る。
「これで分かったろあんた等が逆立ちングしたって華武には」
ポーンと球をサッカーボールのように蹴り上げた。
「勝てッこねぇ゙!!」
バキッ。
球は十二支の面々に放たれた。
「いかん避けり!」
猪里が注意を呼びかける。
バシイッ!!
「久芒さん、人にわざと球を当てる行為は止めて下さい」
そこにはが素手で球を受け止めて立っていた。
「「「「「「「「?!!」」」」」」」」
予想もしてなかった人物が出てきて驚く華武の面々。
「?!何時の間にいたんだ?!」
監督も驚いたように問う。
「さっき来たら牛尾先輩と屑桐さんが喧嘩してて出るに出れなかったんですよ。
桃坂先輩、救急箱を持ってきて下さい。
凪、タオルと氷だして辰君に防具もゆっくり外しちゃおう」
「あ、はい」
鳥居は言われた通りに手当ての用意をする。
その間にはく清熊と一緒に防具を外す。
ビニールに入った氷をタオルで包む。
手当てを終えるとは華武校ナイン(−2)達を睨みつける。
「私は、貴方達を気に入っていたのに、
人を傷つける事をする人だったなんて…残念です」
ゆっくり、諭すように1言1言喋る。
「、これは、その(^_^;)」
「男と男のじょうぶがあ゛リングしで……」
先日の屑桐と似たような気迫のを何とか宥めようとするが、無駄なようだ。
「久芒さん、それで人を傷つけて言い事にはならないです。屑桐さんもですよ。
牛尾先輩と何があったかは私が口出しする事ではないのは重々承知してます。
でも普通の球でも危ないのに、
貴方の球はより気を付けなくちゃ行けないのに投げるなんて。
あの球を初見から捕るのは辰君の体格じゃ無理でしょう?」
球は十分な凶器になってしまう。
それが高校現役投手なら尚の事だ。
その怖さは私は良く知っている。
それで、人を傷つけた者だから。
「……、それについては謝罪する。
牛尾御門。五光…今の貴様には勿体無い球だったな」
スイーと、また、紙飛行機が飛ぶ。
勝ち誇るように、私達の頭上をゆっくりと。
「分かったか。俺の2年間と貴様の2年間どっちが上だったかをな!!」
「ちょ「ちょっと待ちやがれ〜!!カブ野郎共!!!このスットコドッコイの根っこ共!
カブよりも大根よりもな!人参のが馬は喜ぶんじゃボケーーッ!!」
「テッメーの紙ヒコーキはよッく飛ばねェんだよ!このヒョーロク玉が!」
私の言葉はサード2人によって阻まれた。
お猿君の馬面がハッキリって気持ち悪すぎだ。
「屑桐先輩、これ借りるよ。へえ、この紙ヒコーキそんなに飛ばないかなぁ(゜O゜)」
「おッし!オレのアルカディア号と勝負すッか!!」
「屑桐先輩の紙ヒコーキ、よく飛ぶって評判なんだけどな(;^_^A)」
獅子川がマイ紙ヒコーキにキス。
「アルカディア号よ、いっちょ飛んでやれ」
朱牡丹が普通に飛ばして、獅子川は。
ぐしゃぁとアルカディア号を潰す。
「おらぁ〜〜〜〜!!!雲の彼方まで飛んでけーーー!!」
「それ、ただの紙くずじゃない!!!」
アホかあんた等!!
「何だこのバカは。死にたいのか」
「もう決着はついてんだよ。おたくの大将さん負けてんだからね。
まったく…負けは認めない文句は多い まるでクレイジー族みたいだね(`_`)「」
怒りマークを出しながら朱牡丹は胴着姿の猿野を写メで撮る。
「フン。誰を負かしたから十二支の負けになるんだ?
牛尾主将…いや、ここはあえて言わせてもらおう。たかが牛尾ごときを討ち取ったからか?
もしもこの中に牛尾を上回るスラッガーがいたとすれば?
そしてその男が、あんたのトルネード何だかを打てると言ったらどうなんだよ?」
嘘ついてんじゃない!!
「そんなのウソだ!だって主将だったんだろ!?(ノ#-_-)ノ
それに、もし、いたとしても先輩の球は絶対打てるもんか!」
「パソコンおたくは黙らっしゃい。このスーパールーキー1年スラッガー猿野天国が、
牛尾御門からサードレギュラーを貰い受けた男だ!!」
猿野が自分を指差した。
「何?…本当か」
猿野の言葉に眉を顰めてへと向き直り、真偽を確かめる。
「信じたくない気もしますが…本当だったりします」
「猿野天国は長いから、これからは中島と呼んでくれ」
「関係ねぇよ!!」
「そして行く行くはオレのホームランで甲子園優勝に導き…オレは将来ボールボーイになる」
「バカは死ね。牛尾、。貴様等の言う華武を潰すとかいうメンバー、
まさかこのアホ共の事じゃあるまいな」
「……今度は私が何も言えません」
「が出たほうが戦力になりそう気だね(−A−)ゞ」
「まっだくだべ」
「テメー程度の球放る奴なんてゴロゴロいるんじゃ!
こちとらバカ犬から毎日その手の球打っとんじゃ!!」
ああ!犬君が特攻服とヤンキー仕様の木刀を!!
「って、ここにいるお方が言ってましたよ」
「オイ!言ってねぇよッ!!」
獅子川先輩に罪の擦り付けかい。
「そこに立て。身の程を知らせてやる…」
「ッ屑桐さん!!」
「、危険だ。下がっていろ」
本気と怒りの感情が混ぜ合わさった目をした屑桐さんを見て、何も言えなくなった。
猿野が打席に立つ。
「オラーー!!バッチこいや!トルネード野郎!!その球3枚に下ろしたる〜〜!!」
「ピーピーさえずるな。こんな猿ガキが十二支の秘密兵器だというのか…」
「そんな事、私達は一言も容認してませんから」
私は屑桐さんの言葉に訂正を入れる。
「あのバカとんでもねぇ勝負挑みやがって!!」
「牛尾さんが打てねぇのに、テメーが打てるわけねーだろ!!」
「どうかな〜〜、兄ちゃんやる時はやるからね」
「捻り…あの体の捻りが、驚異の球威を生み出すのです…」
五光を受けて伸びていた辰羅川が起きて、自分が先程目のあたりにしたものを述べる。
「辰君、大丈夫?」
どうやら別状はないらしい。
「ええ。ご心配掛けました」
視線はすぐに屑桐へと向かう。球が来る。
「速いだけではない。あの球が恐ろしいのはこれからです」
踏み込んだ。打つ気か。
渾身のフルスイング…
そして…フェンスに向かって、飛んでいった。
「うそだろ〜〜〜!!」「あんにゃろ打ちやがった〜〜!!!」
「いや、違うよ。お猿君の負けだ」
音が、球とバットが当たった音がしなかった。
ガシャッ
球が、猿野の後ろのフェンスを直撃する。
フェンスに跳ね返ったのは。
「えっ!?」
「帰るぞ…時間の無駄だったな」
確かに、屑桐の投げた球だった。
「じゃあ外野へ飛んでるアレは!?」「ま、まさかあのバカ!!」
「こいつバットをぶん投げやがった〜〜!!」「そして投げたバットに乗ってる〜〜!!」
「テメーは桃白々かよ!!」
去り際。
「、お前は選ぶべき学校を間違えたな」
「……元々、野球目的で選んだ高校じゃありませんけどね。
これから見せて行きますよ。私が彼等を支えようと思ったものを。
屑桐さん…貴方は悪ぶってるのは似合いませんよ」
この人とは1日しか一緒にいなかったけど面倒見の良い、優しい人だとは分かった。
だから、私が手当てをして入る間は待っていたのだろう。
本人も気にしてはいたのだ。
「……気の所為だろう」
ここで素直に慣れないのもこの人らしさなんだろう。
「そうですか?では」
そして私はゆっくりと華武の面々から離れ、十二支へと向う。
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