#12 華武紅白戦






「あの監督、何考えてるんだろう」

さん、気にしたら負けング」


何に負けるんだ?菖蒲監督にか?

だったらもう負けてるぞ、

精神的に……。




『それではこれより部内紅白戦を開始します。
尚、今回は午前までの働きの褒美としてさんが1軍側に出場します』



八手さんのアナウンスが入る。

紅:1軍+私vs白:2軍の試合が始まった。





「監督は本当に面白い事が好き気だよね(-_-;)\」

「俺はがコッチにいてくれて嬉いっすけどね♪」

「御柳君、重いから肩に手を掛けないで……」

「しかし、良くのサイズのユニフォームがあったのぉ」


とキャッチャーの桜花さんが感心したのか呆れたのか良く分からない台詞を言う。

今の私は華武のユニフォームを着て、何時もの黒の野球帽を被っている。

本当は十二支のがあるけど、全員に却下されてしまった。

黒闇天も吉祥天も持ってきてないよ。


「少し大きいですけど、まぁ平気です。

出来うる限り皆さんの足手まといのならないよう気を付けますので宜しくお願いします」

はライトの9番だし、問題ないんグ」


菊尼さん、役奪ってすみません。


「お前は俺の勇姿をしっかり見てくれればそれでいいんだよ」

「御柳、調子に乗るな。馬鹿は死ね」

「屑の字、硬い事は今回は無しじゃけんの〜」

「そうだべ屑さん。オラ達も守備位置に付きングしないと監督の軍配が飛んでくるべ」




1回表、2軍攻撃。

私は始めて屑桐さんの五光を目のあたりにした。

「トルネード投法か」


私の阿耆尼のように最大限体を捻らせて投げる投法。阿耆尼はトルネード打法だし。


「……打ってみたいな〜」

?どうした気(−A-)?」

3者三振を取ってベンチに戻る時に朱牡丹が話しかける。

「いえ、屑桐さんの球に驚いただけです」

「それは分かるけど、屑桐さんの本気はあんなもんじゃない気だよ(^0^)/」


だろうね。だからこそ、越え甲斐があるのさ。


1回裏、1軍攻撃。


1アウト、ランナー1,2塁。

『4番サード御柳君』

「へいへいっと。、ちゃんと見てろよ!」

「華武攻略のためにだけどね」

スッパリ言い切る。ナンパは好きじゃないのさ。

「っちぇ。まあ、どんなにやったって華武には勝てないさ」



捨て台詞をはいて、バッターボックスに立つ。

師水さんのダイバースクリューも凄い。

でも、御柳君も1年で華武の4番を張る位だ。

何か仕出かすのだろう。





……そして、私の予想は大当たりした。

『ホームラン!1軍3点先取!!』

まったく、今の十二支じゃ真っ向からやりあったら1軍どころか2軍にさえ勝てないかも。

それほど、華武の強さには驚かされた。 

そのまま場面は2回表、7−0で1軍圧勝のまま進んでいく。

しかし、ここで、墨蓮がヒットを放った。

「フライだ!!」「大きいぞライト、だ!!いける!!」

「朱牡丹!!」

屑桐は朱牡丹に援護を呼びかけるが。


「別に、このぐらいは私でも捕れますよ屑桐さん」


私はバック走をしながら飛び上がってボールをキャッチ。


『あっアウト――!!!』

「嘘だろ?!」「女であれを捕るか?!」

周りは以外な展開にざわめきだす。

さん凄いング!!」

「どうも。これでもソフトしてましたから。
ポジションは久芒さんと同じショートでしたけど」

ナイス!!」

御柳もに近づく。

「どうもさん。次はうちらの攻撃だよ、行こう」



 

2回裏、1軍攻撃。


『9番ライトさん』

「行ってきます」

「頑張る気!!」 「さん、無理はいけないングよ」

「あはは。まあ程々にって事で」


こっちも沢山驚かされたから、今度はコッチが驚かす番ですよ。


「帥仙さんお願いします」

「さっきの守備は驚いたが、今度はそうは行かないぜ」


帥仙は台詞を言い終わると同時に振りかぶり、ボールを宙に放つ。


1球目は見送る。

「やっぱりバッターボックスに立つと全然違う!!」

「驚いたか?」

楽しそうに笑う

それに満足している帥仙。

「ええ。次お願いします」




そして……私は球を天高く運ぶ。



キイィィィン



そのまま柵の外へと球は消えて行った。


『ほッホームラン。8−0』


「……唯者ではないとは思ってはいたが、何者故」





グラウンドを1周し、ベンチに戻る。



「ただいまー。って皆さん何固まってるんですか?」


驚かす気満々だったが、ここまで反応されるとそれも困り者だ。


、お前、何者だ?」

「帥仙さんの球は女子じゃ前に飛ばすどころか当てるのも難しいべ」
「それをホームランするなんて普通ありえな気だよ(っ°Д°;)っ」

「ここは秘密でしょ♪」

まだ十二支でも知らない人がいるのに言えないさ。

 







試合終了の挨拶の後の監督の話。

「皆の者、大儀であった。今回は面白いものが見れた故。

非常に愉快なものであった故。罰は免除しよう。

華武に来る気はないか?歓迎する故」

「ごめんなさい」


間髪を入れずに答えを出す。

「ええ?!決めるの早すぎ!!もっと考えろよ!!」
と御柳君。

「でも、ここじゃ私のしたい事は出来ないじゃないですか」


がしたいことってなんだべ?」

「それも秘密ですよ。さて、私はそろそろお暇します。今日は有難うございました」

ここは逃げるが勝ち!!

と言うかのようには走って去っていく。

部員達はそれを呆然と見送った。

「……監督、どうしますか?」

「どの道練習試合で会う事になろう。今は放っておく故」


あの力、是非華武に欲しいものよのう。










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