#03 帰ってきた男






「オイ見ろよ!!サードのナンバー2!!」

誰かが表に書かれている『獅子川』を指差した。

「あ、あれはヤツしかいねぇ!!」「帰ってきたんだ!!」


2・3年は兎も角、1年には誰か分からずに混乱する。


私も話に聞いたのみで実際どういう人なのか全くわからない。



「合宿の試合にも出てねーのにいきなり遊軍入りなんて、いったい何者なんですか!?」

「新しく誰か入って来るんすか!?」

「じき来る。そうすりゃ、分かる」

余裕のある羊谷に、テンパった猿野が抗議する。

「オラ――!!勝手なオーダー組みやがって!!オレをサードにしていいのか!?

つーかオレで大丈夫か!?オレはアレだ!始めて一月だぞ!!」


その通りだけどね。私はお猿君を遊軍に入れるよう進めたが、

まさかレギュラーになるとは考えもしていなかった。

「うるッせーな。誰の許可を得て騒いでんだよ」

お猿君の首に、投げ縄が巻きつく。

「ここではオレが法律だ」





縄の先を目先で追うと馬に乗ったお尋ね者

・・・いやいや、アウトロー・・・もどき?がいた。



「な、何が法律だコラ!マカロニウェスタン気取りやがって!!
早く外しやがれこのロープ」

「ハイヨー!黒王号!!」



 お猿君の首に縄を巻いたまま馬を走らせる。

引きずられていくお猿君。学校に馬を連れて来ないで下さいよ。



「何なんだよテメーは!!馬で入ってきやがって!!」「部外者は帰れーー!!」

「あぁん!?部外者だとーーー!!このチッキンヤロー!!」

バキュ――ン。

と銃声が学校になり響く。

あの銃、銀河鉄道999の銃みたいだよね。

「オレに意見する勇気のある奴は前に出な。

こッのリボルバーのサビになりたいのならな」



「だ…誰っすか、あのエセウェスタン」

「昨年、問題を起こして停学くらってた先輩Da…」


話で聞いたけど、本当に訳の分からん先輩だ。

獅子川先輩が馬から降りる。

「長旅は疲れるぜ」

「ひ…久しぶりだな獅子川…」「一体どこまで行ってたんだ…?」



懐から薄汚れた水入れを取り出す。

のどを鳴らして飲むと、口をぬぐいながら。


「この世の果てまでさ」



かっこつけて言い切る。苦手なタイプかも。

「いーのか酒飲んでよ?…あれってウォッカとかじゃね?」

ぼそぼそと呟いた1年。

アルコールの匂いがしないからお酒じゃないと思うが。

「いやーッ、やはり麦茶はストレートに限る。六条麦ってやつは効くな」

やっぱり。
でもお酒より健康的でいいと思うよ。

様子を伺っていた辰君がが思わず呟いた。

「前々からこの部はストレンジャーが多いと思っておりましたが、
この方の逸脱具合は異常ですね・・・」

「辰君、同士か」

君も人の事言えないけどね。……私もだけど。


「カッコイイ〜〜〜!!!」「ある意味男の憧れっすね〜〜!」

「ええっ!?」

瞳を輝かせるウサギ君と子津君。あれって格好良いの?!






レギュラー表を見て獅子川は固まる。まぁ言いたい事は分かる。

「なっんだこりゃ〜へい牛尾!何でお前がラッイトなんだ!

お前はサードのレギュラーで俺のラッイバルのはずだろ!?」

「獅子川君…」


この人守備全然駄目って聞いてたんだけど。本当にサード大丈夫かなー。

博打の賭けすぎで破産しそうだ。獅子川先輩が静かになったな。

< どうしたのだろうとみてみるとプルプルと体を震わせ、
自分の名前、サードAと書いてあるのを見ていた。



「フハハハ!新監督さんもジョークがきついぜ?
此処がテキサスなら蜂の巣になってた所だ」

「お前のがジョーダンきついわ!」

「アイムサルノジャパニーズフェイマスコメディアンイッツアNO1」


鼻の下伸ばしまくった猿野が自分を指差す。

「昔の栄光だか何だか知らねぇが、あんたの時代は終わったよオールドマン」

「マスターバーボンロック」



バーボンもとい麦茶をぶっ掛ける。

はぁ…こいつ等2人揃って馬鹿だ。


「てめぇか?誰に喧嘩売ってんのかわかってんのか?」

「んだぁそっちこそ行き成り現れてガンマン気取りやがって!」

「あんだとやるか〜?」

「おう望む所だ!」

「監督、やってもいいですか?」


こっちはそろそろ限界ですよ。


「許す、やれ」

簡単に許可をだした羊谷。

「あいあいさー」

そう言って私は2人の元に駆け出し、その助走で勢いよくジャンプした。


「極楽浄土ツアー2名様ご案内〜!」



2人に脳天からのキック&チョップを繰り出した。


「ピギャ!!」「グハァ!!」

2人はそのままグラウンドへ倒れこんだ。

抹殺完了。これにてレギュラー発表は終了。練習を再開します。

アップが終った人からポジション別練習を開始。凪ともみじはボード片付けちゃって」

「「「「「ハイ!!!」」」」」

それぞれが行動を開始する。

次のレベルへと上がるために。












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