#34 バーベキュー




結局、昨夜のエスコート肝試し。

明美登板数43。

優勝は5億点の牛尾。

鼻からスパゲッティの刑は、−300万点の犬飼で幕を閉じた。













最終日の朝、今度は近くの河原に集められた。

今回も私は一切関与していない。



「え――、昨晩はご苦労だったな。たまにゃ、あんな余興もいいだろう。

さて、今日は最終日で帰るだけなんだが、バスが来るのは夜だ。

まだたっぷり時間がある。

どうだテメーら!!最後の飯はバーベキューといくかーー!!」

「うお――!!肉だ――!!」「監督太っ腹――!!」
「アンタに一生ついてくぜ――!!」



 合宿最後の食事は、バーベキューに決定。

60人余りの部員は5班に分けられた。

でも、そんなに合宿用の部費残ってたっけ?







「ありったけの肉持って来――い!!」



しかし、そのようなものは何処にも見当たらない。




「いや〜、それがなぁ。牛肉でもたっぷり買いたかったんだがなぁ・・・。

今回の合宿で金使いこみ過ぎて、バーベキューする肉買えねぇんだ」



皆がカオナシになった。






やっぱり。元々去年までの成績が良くないからあんまり貰って無かったしね。




「大根の葉っぱならあるが、おひたしにでもするか?」

プチ。

そんな音が聞こえた気がした。



「オイ!PTAに電話しろ!!教育委員会に伝えろ!!」
「懲戒免職じゃ――!!」「マスコミ呼べ!マスコミ――!!」



「騒ぎをでかくするな――!!!」







「じゃあ私も懲戒免職ですね。
元々、合宿の予定立てたの殆ど私だったし」









周りの騒ぎがピタリと止まった。

良し、静かになった。



「言い訳をさせて貰うと元々合宿用の部費はやっぱり去年までの
成績の関係上で学校からあまり貰えなかったんです」



借りられるところから借りたり、安く買ったり節約したんだけどね。



「で、部員からは宿泊費ぐらいしか貰って無いから節約しても

余興の分のお金はココが限界だったんです。

他の仕事で余興は監督任せだったし、管理不足でしたすみません」



私は皆に深く頭を下げる。

君!君はそこまで頑張ってくれたんだから君が謝ることじゃないよ!!」

牛尾先輩は私に詰め寄り慌てて否定する。

「確かに去年までの成績ではそれ程の金額を支給される訳がない也」 

「それじゃ当たり前っす。さんは褒められこそすれ、
 謝るような事してないっす!!」 

ちゃーん我侭言ってごめんなさーい!!」 「(僕もゴメン)」 

「とりあえず、は謝る必要ない」

「そうだぜ!!元々俺が昨日の胆試しの女装服大量に買ったから…」





…は?!今何て言った?!そう言えば衣装代ってのが結構してたけど、それか!!

「お猿君、覚悟はいい?」









そして、お猿君は大量の血を流した。

まるで地獄の血の池ね。















結局、各班で食料を調達する事に。

川の幸 調達部隊。
猿野・鳥居・虎鉄・鹿目・子津。

「任せとけ!川の生態系が崩れるほど釣ってきたるわ!!」

程々にしてくれ。それを直すには凄まじい年月が必要なんだ。

鹿目先輩、子津君、ストッパー頼みます。






山の幸 調達部隊。
猪里・蛇神・三象・司馬・

「山の幸ん事なら俺に任せりー!」

よろしくお願いします。






調理部隊。
牛尾・清熊・兎丸・辰羅川・犬飼。

「凪――!猿とナンパヤローに変な事されんなよ!」

もみじの忠告に思わず頷いてしまう



「ホレ皆、自然学習だぞー。自然はおいしさの故郷なんだぞーー」

宅配ピザ食いながら言うな!!まさか、それも部費で・・・?

「監督、それは領収書引き受けませんからね」

一応釘を指しておこう。

大体少ないとは言っても余興に宴会を覗いて7万は空けて置いたよ。







山に入って、野草とか探しとります。もくもくと。

ああ、静か。

「ああ、こんキノコば大丈夫ばい。
基本的には枯れ木には手ばつけんどって、後は俺に訊きー」

返事なし。

「山菜は次の年も沢山とれるごと、あんまり摘まんどってね」

返事なし。

「そうそう、タンポポも食べられるとよ」

返事なし。

「タラノメやワラビやらは、食べられるっちゃけど
アク抜きに時間かかるっちゃね。キノコに比重置いて探す事にしょーか」

返事なし。

もくもくと作業を続けている。これはかなり寂しい。

しかし、あたりにと司馬が見当たらない。どこにいったんだ?

「皆、静かな人ばっかやね…」

静かに落涙する猪里。




「猪里先輩!」

茂みから猪里先輩が見えたので声かけたら急に笑顔に。

何があったんだ?

「これ食べられますか?」

私は少し奥の方で見つけた山葡萄のような木の実をみせる。

「大丈夫ばい」

うん。と肯定の合図で頷く。


「司馬くーん、これ大丈夫だってさ、いくつか取っちゃってー」

さっきまで一緒に食べ物を探していた司馬君に声を掛ける。

「…(コクン)」

頷いてコレをとった場所に戻っていく。

「さっき畑で働いてるおじいさんに会って、野菜貰いました。
もう少し取れたら戻りますか?」

「そうっちゃね。材料が無ければ料理は作れないとね」

しばらくして司馬君も戻ってきたので皆に声をかけて採った物を抱えて戻った。









野菜は三象先輩と蛇神先輩が持ってくれて楽チンで山道を降りる。

「結構山の幸取り楽しかったね司馬君」

「(コクン)」

「想像よりも大量に採取出来た也」

確かに、蛇神先輩の言う通り。

種類も沢山あって、調理の仕方によっては美味しい物ができるだろう。



「があああぁあ」

「三象先輩は川の幸部隊が心配ですか?」

「があぁ」

「鹿目先輩も何気にノリが良いですから仲良くやってると思いますよ」

殿、三象の言葉が分かるのか?」

「おおよそではありますが、大体。
司馬君もこの頃は口パクで固有名詞も分かりますし」

「ここまで出来れば十分特技やね」

猪里の場合は会話の成立も出来なかったしな。

「そうですかね〜。あっと、見えて来ましたよ。
川の幸部隊も戻っているみたいです」


「では少し急ぐか」














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