#02 出発
遂に合宿当日。
マネは道具の詰め込み作業があるから4時半に集まっている。
「、バッティングマシン、ボール、バット、
グローブ、的、その他諸々搬入完了だ」
「お疲れ様です柿枝先輩」
思っていたより早く出来たな。出だしは順調。
やる事リストの搬入の欄にペケ印をつけた。
その横で柿枝先輩は気まずそうな顔で話かけてくる。
「今日の予定は他のマネにも話して無いんだろう?」
「監督は何も知らせない状態でコレを
やりたがってますからしょうがないでしょう」
「出席確認するぞー集まれー!!」
「行くぞ。無理はし過ぎないようにな」
「了解リーダー」
柿枝先輩は優しいねー。
*
出発前に猿野が遅れて来たが何とか予定通り出発できた。
バスに揺られていくらか経ってきた頃、うつらうつらと睡魔がよってきた。
まだあと1時間はあるし、寝ちゃおうかな。
「ちゃーん桃鉄しない?」
兎丸はいくつものアドバンスを手に持って誘ってきたが
あくびをしてからゴメンと謝った。
「今めっちゃ眠い。宿で相手するから今は寝かせて」
「そうなの?」
「うん。凪、1時間ぐらいで起こしてね」
私は睡魔に身を任せたが………ワイワイ ガヤガヤ五月蝿くて眠れない。
しょうがない。開いてる所に寝かせて貰おう。
「凪、私、違う所行くわ」
「あっ起しちゃいましたか、すみません」
「いや、凪が謝ることじゃないさ」
そう言って私は寝やすそうな場所を探しに席を立った。
先輩達は2,3号車だし、子津君の所はお猿君がいるから却下。
監督はお酒臭いから嫌。
犬君はオセロしてるし、ア………。
「司馬君、隣で寝かせて貰っていい?」
「(コクン)」
同意の合図が返って来て、お礼を言って隣にいさせて貰った。
司馬君は静かでいつも音楽を聞いているのでBGM付き。
寝るには最適の環境だ。
この歌良いな。後で曲名教えてもらおう。
今度こそと、ウトウトとは眠りについた。
「司馬君、いいなー」「司馬君羨ましいっす(泣)」
はバスが揺れた時、体勢が崩れて司馬の肩に頭を預けて寝ている。
それを見た周りの人達が集まってきた。
「さん、気持ち良さそうに眠ってるっちゃ」
「司馬〜良い思いしてるNa〜」「とりあえず司馬、代われ」
「(フルフル)」
最後の犬飼の希望を却下。
「こうして、静かにしてれば可愛いんだが」
「猿野君、それは失礼ですよ」
「そうですよ猿野さん。それにちゃんはいつも可愛くてカッコいいですよ」
辰羅川と鳥居は猿野に叱責する。
「でも、こんなに無防備に身を任せてると妬けてくるかな」
「有無。だが、我はこの姿を見て安堵している也。
殿は最近無理ばかりしていたように思えてならない」
「この合宿の準備を取り仕切ってたのもコイツだしな」
「手伝いをしようにも仕事のスピードが早くて、
返って邪魔になりそうでしたしね」
「は他の人の何倍も頑張り屋さんだから…かも」
皆口々にを褒めたり心配したりの言葉を放つ。
は好かれているのだ。
しかし、はあまり自分から人を頼ろうとはしない。
この前の事件が例外だっただけだ。
「う……」
が呻き声をあげる。
「やべ起したか?」
「か……いに……ユ…タ」
「寝言Ka。かいにゆたってなんDa?」
「ん」
ムクリとは目を擦りながら起き上がった。
「あれ?皆さん何で集まっているんですか?」
何かあったのだろうか。
「いえ、そろそろ1時間たつので起そうか迷っていたんです」
鳥居ナイスフォロー。
流石に寝顔を見てましたと言える訳が無い。
「そうなんだ。司馬君肩借りてて御免ね」
それに答えて司馬は顔を横に振る。
「(少しでも休んでくれて良かった)」
「ちゃんと家で寝てるよ」
私、そんなに疲れてみえたのかな。
確かに家でパソの打ち込みの続きしたりして寝たの12時だけど。
は起きたのは3時なので実質3時間しか寝て無い。
そんな状況じゃ皆心配して当たり前だ。
「そろそろだな」
皆に気が向いていたので誰も監督のつぶやきに気が付かなかった。
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