#09 合宿準備
「つ、疲れた……」
野球部に入って1週間目の火曜、朝練後。1週間前から今日までを振り返る。
何?何なのこの仕事の山は??!!
まず、入部試験のデーターをパソに入れ直し。
それは17人しかいなかったから1日で終了。
問題はこの前から言われていた合宿について。
全員統一データーを取るために種目を決めたはいいが、
関東付近で近くに半日あれば越えられる山とグラウンドがあり、
60人今強の野球部員+αを受け入れてくれる宿を探した。
これが1番大変だったかもしれない。
条件に当てはまる宿が3・4あったので、監督の希望により、伊豆方面に決定。
そことグラウンドを1週間貸切の予約にバスの手配。
学校側に提出する書類、データー取りのための用紙制作、しおり作り、
野球部保護者への合宿への案内のプリントこれらをパソで打ち出し、コピー。
案内は各家庭に野球部年間予定と共に郵便で送った。
(中には親に届けを見せない奴等がいるのでそれを防ぐため)
これらを1週間で終了させた。
もちろん他のマネの人たちにもコピーなどの簡単な手伝いはしてもらったが、
デスクワーク関係はすべて私1人でやり遂げた。
理由:監督・他の女子マネの人たちはパソコンのいじり方が分からないから。
野球部員には極力隠しておきたいらしく、協力を仰げなかった。
監督も極力の事はしてくれたが部活に出ないのは不味い。
そのため仕事は雪崩のように私にやってきた。
この一週間部活の参加は朝練しかしていない。部員たちとは結構仲良くなれたけど。
お猿君狩り手伝ったのが良かったのかな。
しかしまだ報道部へのカメラ、ビデオの撮影についての確認。
クロスカントリーで使うコンパスを登山部から借りて、地図のコピーも終わって無い。
種目に使う道具、機材の確認、補充、製作
(100mバイアスロンの的など)も残っているや。
余興の用意なんてもう知らない!!何だよあの女装道具って?!
そんなのお猿君に任せればオールOKだよ!!
「本当にお疲れ様です」
「凪〜本当に疲れたよ。でも正規の仕事出来なくて御免。
流石にそっちまでは手が回らない……」
「いや、お前がいてくれて本当に良かったよ」
「いやいや、柿枝先輩が色々表をやってくれていくらか
私の仕事は減ってくれましたよ」
「学校側の書類は渡して着ましたわ」
「有難うございます夜摩狐先輩」
「機材と道具はあたし達がやるから」
「お願いします。桃坂先輩、栗尾先輩」
「登山部はあたしらが行くよ」
「地図のコピーぐらいはできる…」
「有難うもみじ、檜」
私はそれらの返答を肩井と大腸喩のマッサージをしながら答えて行く。
腰痛には肩幅にまで足を広げて立ち、
暖かくした手で強めの力で100回位上下に擦ってあげるのが簡単でいい。
マッサージ覚えておいて良かったと今ほど思ったのも久しぶりだよ。
最近のサラリーマンやOLの方達を尊敬したよ。
「後は、報道部に行くだけですね。今日は火曜なので
文芸部の集まりの後に行って来ます」
「ホントに助かる」
「じゃあお疲れ様でしたー」
は更衣室を後にした。
「ちゃん大丈夫でしょうか」
「あんなに仕事して、練習を手伝って、が今まで倒れなかったほうが不思議…かも」
「あの様子じゃ、こっちが心配だよー」
「主将と石坂先輩と犬飼のファンのやつ達もいるしなまだ不安は尽きないぜ」
「『犬飼くんを地獄の底まで追っかけ隊』は一応抑えて
もらうよう働きかけてはいるけどそろそろ辛い状況です」
「『石坂君を見守る会』の方々は大丈夫みたいです。
元々石坂君に近づく者を片っ端から排除するつもりは無いようですし、
さんは好意的に見てもらえているので平気ですわ」
「『牛尾様をお慕いする集い』は2つに分かれているそうだ。
石坂のファンのような奴もいるようだが、
犬飼のファンの奴等のようにに攻撃しかけかねない状況だ」
野球部女子マネージャー一同、仕事の他にもこうやってを守っていたようだ。
「今じゃちゃんの噂は全学年に沢山飛び交っていますしね」
「本人は気付いていないみたいだが顔の造作も整っているしな」
「何処となく牛尾君とは違った、人を惹きつける魅力を
持っているからそれを嫌う者達が出るのも必然ですわ」
「元気が良くて、楽しくて人の迷惑になるような事は絶対しないで、
嫌な仕事も進んで片付けてくれるので他の女子には
好意的にみられているのですが……」
「でも女の嫉妬は怖いからね。あいつも気付いてはいると思うが」
「根本が優しいんだよ。そんなあいつにその中に
あいつがいる事が知られたら…」
「は自分が好意に思った人には手出し出来ない…かも」
「とにかく、何かあったらすぐ知らせるように。
鳥居達は出来るだけと居ろ」
「「「はい」」」
他のマネも教室に戻って行く。
「又、ああなるのは勘弁だからな」
柿枝の独り言は誰にも聞かれる事なく、空に消えていった。
NEXT