#02 野球部入部1
チャチャチャッチャチャーチャチャチャッチャー
ケータイの目覚まし機能でポルグラのメリッサが流れる。
「う〜」
音が流れてくるほうに手を伸ばすが、届かない。
ケータイは遥か前の机の上に置いているので当たり前だ。
しょうがないと、布団を持ちながら立ち上がる。
布団を被りながら遠く離れたケータイを探している姿は傍から見ていたら
さぞかし滑稽に移るだろうが今は朝の5時。誰もいるはずがない。
ピッ
流れていた音は消え、1つ欠伸をする。
「ふぁー。あんま寝てないな」
今日の1時間目物理だからそこで寝るか。
ジャージに着替え、外に出る。
昨日の件で体力が落ちまくっているのに気付き、
体力作りを心がける事にした。
また、ソフトも野球も出来る。
そう思うと嬉しくて仕方がない。
庭にはまた先に魁兄とユタが筋トレをしていた。
「おはよー」「今日は何時もより早いな」
「昨日の件で体力落ちまくってるのに
気付かされたからね。少し運動するわ」
まさかたった1時間で息切れするとは、私も堕ちたもんだ。
「じゃあ、一緒に筋とれしようぜ!!」
「それはいい」
兄弟たちは自分達の鍛錬に誘う。
それに乗り、私は腕立てを開始した。
「あのね2人共」
「「何だ」」
「私、十二支野球部のマネやる事になっちゃったみたい」
「あれ?断ったんじゃなかったのか?」
「そうなんだけど、石坂馬鹿部長が主将の話しに乗っちゃってね」
まさか買収されたとまでは言えないよ。
もう呆れてため息が出てしまう。
「まあ良いんじゃね?でも十二支と当たった時は容赦しないぞ!!」
「右に同じく」
「うん。分かってる。私だってやるからには徹底的に鍛えるから。
出来れば選手として出て見たいけどね」
「が出場したらそれはそれで面白そうではあるがな」
「ソフトはしないのか?」「十二支はそふと部はないのか?」
2人は同時に同じ質問をする。
まさかこんなに早くやれると思わなかったからな。
「まだ入ったばかりだし。もう少し、せめて2年になるまで考えてから、
それから再開しようと思ってる。
その間は十二支を2人と闘える位強くしていく事に専念するよ」
私はソフトを辞めて思い知った。
私はソフトも野球も大好きで、やれると思った時、
嬉しくてしょうがなかった。
でも、今までサボってたからまずは復帰に向けて体力づくりだ。
それに十二支で会った人たちともう少し一緒にいたい。
「もう6時半か。私ゴン太の散歩に行ってくるね」
筋トレを終了させ、ゴン太の首輪にリードを付ける。
急げば30分で終わるかな?
「いってらっしゃーい。帰ったらまっさーじよろしく」
「気を付けてな」
「はーい」
玄関の門を開けながら返事を返し、家を出た。
「そろそろ、我らも朝錬に行くか」
魁はを見送ると庭にある井戸から水を汲み、一気にそれを被る。
まだ4月だぞ!寒くないのか?!
「おう!!」
由太郎も後に続いて水を被る。
どうやら何時もの事らしい。
**
キーーンコーーンカーーンコーーン。
3時間目終了の合図が鳴り響く。
「終わったー」
古文なんて魁兄と一緒にいれば自然と
分かるから、暇でしょうがない。
「お疲れ様です」「あんまり居眠りしてると怒られるっすよ」
凪と子津君が声をかける。
「凪もお疲れー。だって子津君。
ーもう分かってる事つらつら聞いててもつまらないのよ」
「そんなもんすか?」
「そんなもんよ。私はあの先生より分かりやすく教える自信あるよ」
「そんなこと行ってると先生来ちゃいますよ」
凪が軽く私を諌める。
まだ休み時間始まったばかりだから大丈夫だって。
ガラッ。
タイミングバッチしに教室の前の方の扉を開ける音がした。
もしかして先生?!やばっ!!
「「キャ、キャプテン?!」」
「やあ。子津君に鳥居君に君」
「はい?」
振り向いて見ると相変わらずキラキラオーラを出している牛尾先輩と
気まずそうにあさっての方向を見ている石坂部長が立っていた。
「何で部長までいるの?」
「いや…牛尾に連れて来られてな」
「もう話しは聞いたんだろう?」
「私が野球部に強制入部した事になっている事だったらしっかりと」
ああ。今の私は気持ち良く笑いながら黒いオーラを出しているのだろう。
周りを囲んでいた皆の顔が引きつっている。
子津君なんて真っ青だ。保健室いったらどうだ?
「そういう事だから今日からよろしく頼むね。君」
牛尾はそんなオーラーをものともせずにいつもの雰囲気を壊さない。
「まあ。その件は了解します。でも」
「「「でも?」」」
牛尾先輩に凪と子津君の声がハモる。
「ぶ・ちょ・う〜」
すでに逃げるスタンバイ万全な部長に声をかける。
「…何だ?」
「アイス奢るだけじゃ済ますつもりないんでそこんとこよろしく☆」
1発位殴ってもしょうがないよね。
まだ、怒り気味のは"修羅か羅刹のようだった"と
クラスのある生徒は他の者に語ったらしい。
キーーン コーーン カーーン コーーン。
4時間目開始のチャイムだ。
「じゃあ僕らは教室に戻るよ」
牛尾先輩は放心状態の部長の首根っこを掴んで
引きずり帰っていった。
水月(鳩尾)に入れたからそう簡単には起きないね。
「凪に子津君。説明は昼休みね」
「はい」
「じゃあ、他の人たちも呼んでおくっす」
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