#01 決着と開始
あの後、一頻り今までの事や学校に話して、
夕飯をご馳走になってから私は帰路についた。
今、帰りの電車の中でにメールを打っている。
宛
、私も過去から抜け出したよ。が今日の話をしてくれたから決められた。
辛い話を聞かせてくれて有難う。
じゃあまた明日。
送信っと。後は着いたらお義母さんに電話しなくちゃ。
私が乗っているその電車は9時を過ぎた程で、目的の駅に着いた。
お母さんに電話をいれるため改札を出て、ケータイを取り出しながら歩いていると。
「「!!」」
「魁兄?!ユタ?!」
すでに義兄弟がを待っていた。
元々目立つ兄弟である所為もあるかも知れないが、
2人共まだユニフォームのままで周りからかなり浮いている。
「まだ電話してないのに、何時からいたの?」
「部活終わって帰ってがさん家に行ったって
お袋から聞いてすぐだから、8時くらいからかな」
「うむ、確かに。して結果は如何なものだった?」
魁は心配そうにに聞く。
それを答えるために私は2人に満悦の笑みでにVサインにした手をみせる。
「良かったじゃなねえか!!!なあ兄ちゃん」
「ああ。良く頑張ったな」
魁兄はそう言い、私の頭を撫でた。
小さい頃は良くされた行動だが、今では少し気恥ずかしい。
でも、大きくて暖かな手がとても落ち着ついて、気持ち良いの事実だった。
「あー兄ちゃんずりー!!俺もにくっつくー!!」
今度はユタが突進して、否抱き着いてきた。
倒れそうになったが何とかその場に踏み止まった。
おっ重い…。
「こら由太郎!!急に抱き付くでない!!」
「それよりそろそろ帰ろうよ。お義母さんとお義父さん
が待ってると思うし。だから離れろ!!」
「だってこの頃のずっとぴりぴりしてたから元に戻って嬉しくってさ〜」
そうか、私は周りにも心配させてたんだな。
「ゴメンネ。有難うユタ、魁兄」
「おう」「うむ」
2人は同時に返事を返した。
ああ。この2人が私の義兄弟である事がとても嬉しい。
*
慣れた道なのはずなのに暗いと少し変わって見える。
そんな道を兄弟3人で歩ける事をとても幸福に思えた。
「「ただいまー」」「今帰りました」
それぞれ、帰宅を両親に告げる。きっとまだ待っているから。
「〜〜〜!!!」
お義父さんと義母さんは居間の部屋からすぐに出てきた。
そのままのスピードで今度はお義父さんが突進、抱き着いてきた。
顔は似てないけどやはり親子だ!
しかし、ユタだったら何とか出来たけど、お義父さんじゃ私が危険だ!!
危険と感じて間一髪。私はスペインの闘牛士のようにお義父さんを避けた。
「あなた、との体格差を考えてください。
あのままが避けなかったら危なかったですよ」
まったくだ。
「お袋殿の言うとおりだ親父殿」
「そうだぜ親父。じゃなかったら避けられなかったと思うけどな」
紀洋父さん家族から非難轟々。それでいいのか家族の大黒柱。
「っま。それはどうでもいいや」
ちゃんと避けられたしね。
このままじゃ話がし辛いので私たちは一旦
居間に集まり、各々の指定位置に着く。
「それで、どうだったんだ」
やっと、いつものお義父さんに戻った。ちゃんと話さなくちゃ。
「と元に戻れた。の記憶もかなりの部分戻ってた」
そして、のこと、私が思ってたこと、
の家での出来事を話す。
たくさん話して、たくさん聞いてもらって、
一段落つけてお義母さんの入れてくれたお茶を飲んだ。
「じゃあ、またと野球出来るんだな?!」
「うん!!」
「やったぁーーーーーー!!!」
ユタ、嬉しいのは分かったけど、
近所迷惑を考えろ!もう夜中の12時だぞ!!
「五月蝿い!!」
ゴツン!!!!
お義父さんの鉄拳がユタの頭を叩く。
痛いんだよなーあれ。
あの痛みを知っている私と魁兄は顔を顰め、ユタに同情する。
「私はそろそろ、お風呂入って寝るね」
さすがに今日は疲れた。
ユタとお父さんの喧嘩までは付きあってられない。
「お休みなさい」
お母さんは私を見送り、その度々の言い争いをBGMに
しながら部屋にもどろうとした。
あっその前に。
「お義父さん、お義母さん、魁兄、ユタ」
「ん、どうした?」
皆こちらを向く。
「私、の両親を覚あんまり覚えてなくて、何回も会いたいと思った。
でも、それはこの家族が嫌とは同義語じゃないよ。
この家族が嫌だと思った事は一回も存在しないの。
私にとって、の両親も村中の両親も魁兄もユタも全部合わせて家族なの。
私をココまで愛してくれて有難う」
それだけ言って私は居間を後にした。
これが、以外で私を縛っていた過去の糸なのだろう。
今回のことでやっと見つける事が出来た。
やっとなんで村中の両親が私に戸籍上は村中なのに
の姓を名乗らせていたか分かった。
私は、でもあり、
村中でもある。
それを知って欲しかったんだろう。
が部屋に戻った後。
「強く、なったな」
「ええ。昔はその話しするだけで泣きそうだったのに」
「草薙殿と加西殿に感謝せねばなるまい」
「良かったな。」
「さて、遊人の奴にも報告しとくか、
アイツに発破かけさせたのは正解だったな」
……野球部の件は仕組まれていたようだ。
*
「ふう」
汗をかいた体を洗い流し、サッパリして来て部屋に戻ると
ケータイが鳴っている事に気が付いた。
着信 石坂
部長から?こんな時間に??
「はい、もしもし」
『おう。か。良かった、まだ起きてたな』
「どうしたんですか?こんな遅くに」
部長は変な所はあるけどモラルは守る人なのに。
『いや、何回か掛けたんだが繋がらなくて、
出来れば学校行く前に伝えようと思ってな』
「ああ。電車乗っていたので電源はOFFにしてたんです。すみません」
『いや、謝るのはこっちなんだ』
「どうしてですか?」
『スマン。お前文芸部と野球部マネの兼任しろ。
文芸部は活動週1だし、大丈夫だろ』
「は?」
『いやな、牛尾が初代ライダーベルト。しかも撮影に使って
サインまで付いてる優れものを譲ってくれてな〜』
「買収されないでください!!」
『だから、悪かったって。でも、入部届けも文芸部の
使いまわして受理されちまってんだ』
「……うそ」
『今度、お前の好きなアイス奢ってやるから。じゃっオヤスミ〜』
プッっと音がして、石坂の声は聞こえなくなった。数秒後。
「あんの、馬鹿部長めー!!!!」
私はその後、お義父さんの拳骨を受けました。
ユタよりは手加減してた見たいだけど…痛い。(泣)
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