ドリーム小説

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「何で通してくれねーんだよ!」

無汰は警備員の脇を通り抜けようとするが、警備員
は無汰の首根っこを掴んでそれを阻止する。

「ここは関係者以外立ち入り禁止なんだ。観戦は」
「俺は兄ちゃんに用があるんだ!!」
「聞き分けのない子供だなあ」

甲子園球場の警備員は困り果てていた。
小学生の男の子は頑として説得に応じようとはしない。

「兎に角埼玉選抜の屑桐無涯に会わせてくれよ!」
「埼玉選抜は今は試合中だ」
「っこの分からず屋!!」
「どっちがだ!!」

我侭を言う少年、無汰は警備員の脇をすり抜けて強行突破
しようとするが、肩を掴まれたてそれは出来なかった。

「や、やっとみつけたよ、無汰君」

全力疾走1時間強。
バス停と駅周辺を探しても見つからないと思ったら
すでに選手の玄関まで突き止めていたとは。

「姉ちゃん!!」
「あれ?君、黒蝶の選手?」
「はい。女子選抜のです。この子は埼玉選抜の
屑桐選手の弟さんで、親御さんの体調が急変したのを
知らせに来たそうです。
それで、他の方から連絡をもらった私が付き添いに」

まったく嘘は言っていない。100%真実だ。
駄目なら私も無汰君と一緒に強行突破する。

「だからこんなに必死だったのか。うん、君が言うなら
本当なんだね。だったらいいよ」

名前が知られてるってこう言う時便利。
それを改めて思い知った。
だが、副作用の方が大きい気がするが、ここはありがたく
通してもらおう。

「本当にありがとうございます!さ、行こう無汰君!!」

はお礼を言ってから無汰の手を引いてドアを開いた。

「う、うん!」






「姉ちゃん…あの、迷惑かけてごめんなさい」

道を駆け足で通りながらもしゅんとする無汰に、
はクスリと笑ってからぽんと軽く肩を叩いた。

「叱りたい箇所は沢山あるけど、まずは無涯さん
から何とかしましょう。
私の面倒事はさっきの謝罪でチャラ」



ベンチのドアが見えた………しかも丁度良く目的人物がいる。


「兄ちゃ――ん!!!」

無汰がより前に出、大声で屑桐を呼んだ。 NEXT