#21












ホームベースでナイン全員が待ちかまえ、
猿野より先に戻ってきた2人を労った。


「ウサギ君・猪里先輩お疲れ様!!」

「やったねちゃん」「作戦大成功たい!!」


3人が同時にハイタッチをする。

その間に猿野がグラウンド一周してホームベース
へと生還した。


「お猿君良くできました!!」

「おう!
予想通りだったな。ちょっとバントは
冷や冷やモンだったがよ」

「でもあれで紅印さんのお猿君への対処パターン
がかく乱できたからあれでいいの」


3点一気に取れたからこっちの勝率はかなり上がった!


「(ねえ、7B作戦会議してるけど主将の人がいないよ?)」

「え!?」


司馬君の台詞には直ぐさまマウンドへと
目を向けた。


「あ、ホントだ。ベンチには東蘭風監督もいない」






視点変わって剣菱と東蘭風監督側。


ベンチの廊下を奥に入った場所で2人で話合っていた。



「何の話じゃ剣菱…。皆マウンドに集まっておる
最中じゃぞい」

「……皆には聞かれたくないお話でしたから」


東蘭風はそれで剣菱が言いたいことを瞬時に悟った。


高校に入って間もなく、東蘭風は喀血を
起こしている剣菱と出会した。


「お…お願いです!!この事は誰にも言わないで
下さい!!この事が皆に知れてしまったら俺は
もう野球部にいられなくなる!!!」


必死の叫びだった。

東蘭風が悩んだのは、つい先日のを同じ事…。



「…あれから監督は俺を"秘密兵器"と称する事で皆に
怪しまれずに俺の負担を減らして下さいましたね」

でも、それももう終わりです。


「俺はもう充分休ませて頂きました。
そろそろ7B、否ワイルドジョーカーズの
勝利を守らなければいけません」


東蘭風は静かに次の言葉を待った。


「俺に投げさせて下さい!!」


東蘭風は一言三言付け足して、剣菱の要望に頷いた。




「ほらほらもう良いだろ!散った散った!」


影州は幾分苛つきながらチームを定位置に戻そうとする。


「ちょっとまだ次の作戦も話し合ってないのよ!?」


紅印は影州に突っかかろうとすると。


「影州…ここから先は俺に任せてくれないか?


ベンチから悠々と歩いてくる剣菱に呼び止められた。


『あぁーっとこれは!?これまで滅多に見られなかった
セブンブリッジ主将鳥居君の真の姿が今試合は早々に
披露されるのか〜!?』


「う、嘘!?もうなの?」


早すぎる!!剣菱さん体が持つの!?

は驚きのあまりベンチから立ち上がってしまう。

剣菱がマウンドに立つと分かって直ぐさまナインを集めた。


「思ったよりも出てくるのが早いね」


牛尾が皆の思う本音を呟いた。


「6回くらいまでは出てこないと思っていたんですけど、
まず剣菱さんの球には超重量に耐えられる打法でのみ対応
して下さい。それ以外では体が持ちません」


は念を押すようにそう告げた。


「私は2回、剣菱さんの球を体験してます。
私の方法ではヒットはでないでしょう」

「え、どうしてなの?」


兎丸が目を丸くしてそう聞き返した。


「ショート後方までだったの、飛んだのが。
それだとワンタンさんか雀さんに捕られて終わり。

勝負を賭けるとしたら終盤。まずは3点を守り抜く事に
重点を起きます。次は牛尾先輩からでしたね」


牛尾は縦に首を振った。


「魁兄の球かそれ以上。それを覚えていて下さい」


ここから先、3点を絶対守り抜く。





















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