#18
『次は8番キャッチャー辰羅川君』
ここでもしも三振を取られるときつく
なりますね。ここは……。
影州が1投を投げ、辰羅川はすかさずバットを
ヒッティングからバントへと変えた。
『ああっとスクイズか!?全ランナー一斉にスタート!!』
牛尾・獅子川・虎鉄がベースから離れた。
はそれよりもスピードガンの数値に目を奪われる。
144km/h!?急に速くなった!!
「あれ?さん、今サインが」
「え!?」
は子津のかけ声にはっと顔を上げて紅印の
内股にだされている手のサインを確認した。
「このサインは、ピッチャーの為のものじゃない!」
このサインは野手の為のもの!!
雀がゴロになった球を拾って紅印に投げた。
「紅印!!」「アウト〜!!」
受け取った紅印はアウト宣告を聞くとすぐさま
次のベースに投げた。
「剣ちゃん!!」
ファーストに送球し、辰羅川もアウト。
「アウト〜!!スリーアウトチェンジ!!」
『なんと今度は併殺!!1回についで2回も
チャンスを逃しました〜!!』
「144km/h、や〜とランナーが多い意味が分かりましたね」
「ああ奴らは最初から効率よく俺たちをまとめて殺す為に
ランナーが貯まっていくのを受け入れていたんだ」
ランナーはたんなるアウト予備軍だったって訳か。
「ぶっちゃけ満塁策の進化版ってところですかね。
でも、次の回からはこっちの番です」
3回表も三者三振ですぐに回が回ってきた。
「猪里先輩、ウサギ君、お猿君、分かった?」
その間に次の作戦会議をしていたを合わせた
4人はそれぞれ了解の合図をによこした。
「バッチリだよ」
「それなら俺の得意分野たい」
「目には目を歯には歯を。
3人合わせて兎猪猿三国同盟ってな」
猿野と猪里と兎丸が得意げに戦隊モノの
格好をしてでてきた。
「「「3人合わせて"定年戦隊団塊おやじマン"」」」
「すげぇ弱そ〜!!」
「…それって石坂部長のコレクションだよね」
なんか見た覚えがあるよ…。
「上のスタンドにいたからさっき貸してもらったぜ」
猿野がそう言ってベンチの上のスタンドを指さした。
「お〜す」
文芸部は野球部の応援の隣で観戦していた。
「こんなのお猿君に貸してないで下さい部長!!」
「いや、戦隊モノの良さを知ってもらうには常日頃から
その良さを知らしめるグッズを持ち歩くのがマニア
の使命ってもんだ」
もうその語りは聞き飽きましたよ。
「気を取り直しまして、話を進めます。先ほどの回で
分かったのはランナーでアウトを取るため。
実は7Bは平均1回に1人はランナーを出して
いたみたいです」
「しかし私どもが試合を拝見した限りではそのようなもの
は見られませんでしたが」
辰羅川のもっともな問いには憶測として話をした。
「私達にこの事をバラしたくなかったって事でしょう。
現にあの時鹿目先輩のカミソリを投げたのは私たちに
対する当てつけですし」
「僕に失礼なのだ」
鹿目の憤慨にはうんうん頷いて。
「全くです」
と言った。
反論はありませんよ。
「これらで分かるのは彼らのプレイスタイルは併殺野球
だと言うこと。凪の話では彼らの多くはリトルチーム
"ワイルドジョーカーズ"というチームに所属していた
そうです。結束力の堅さは特上ってことですね」
そこまで話してはいったんノートを閉じた。
「んでもって1番のウサギ君から作戦開始します。
犬君は塁に出れたらラッキーって事にしときます」
「とりあえず、俺に失礼だ」
「ピッチングで頑張ってって事よ」
そしての言葉通り犬飼は三振で倒れた。
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