#16
剣菱に向けていた視線を今度はマウンドの影州へと
向ける猿野。
「それに、打ってみて確信したぜ。やっぱ
モノマネ野郎の球は子供だましだ」
紅印と影州が、その言葉に反応を示した。
「ま!結局古今東西まがいもんはオリジナル
にゃ勝てねぇのが定説ってわけだ」
「おおっ」「猿野君!という事はやっぱり…」
辰羅川と子津がもっともそうな猿野の語りに期待をかけた。
「デブは体育のサッカーの時に確実にキーパー
やらされるのと同じくらいの定説だな」
※猿野は執筆者・紙屋を敵に回した。
「管理人はどうでもいいとして、本音は?」
「わかってんだろ?テメェの兄貴のホンモンの球がこの
程度の訳がないってな。
こんなチンケなパチモンで十二支を討ち取ろうなんざ
ちゃんちゃらおかしーんだよ!!」
「うん、ありがと。他でもないお猿君がそう言って
くれて嬉しいわ」
は言って欲しい言葉をもらえて猿野に
感謝するように笑いかけた。
「こいつ、ちゃんの笑顔を…」
影州が球を握り潰さんばかりに力を入れた。
「影州、気持ち分かるけど我慢なさい。それに、気にする
ことないわ。十二支はアナタの本当の力を知らないだけ
なんだから」
影州が何も言わないように口に手を当てて
紅印はそう言った。
「…凪、鞄からスピードガン出して」
「どうかしましたか?」
「ん〜影州さんの球、さっきから変な気がして」
2投目はストレートで138km/h。
いきなり大胆な配球で見送ってしまったか。
3投目はストレートかと思いきや、打席手前で落ちた!
「っぐぅおおぉぉああ!!」
グアァキィィン
打った!!打球は、サード方面!!
「雀!!」
紅印が叫んだ。
闇技 蜘蛛糸搦
霧咲の蜘蛛の糸に球が絡まった。
刹那、霧咲が横に跳び、球をキャッチし、
サードベースを踏んだ。
「アウト〜!」
審判の判定を聞いて直ぐさまセカンドに送球。
「桃食!!」
『霧咲くんすぐさまセカンドへ送球だ!!しかしショート
王君見向きもせずに走るがセカンドカバー間に合うか!?」
「雀のボールコントロールは100%ネ。
朕はただセカンドに着けばいいだけヨ」
バシッ
後ろ向きのままワンタンはボールキャッチ!
「アウト〜!」
審判の判定は早かった。
ワンタンは今度はファーストに投げようとするのを
猪里は防ごうとする。
い、いかん!せめて猿野だけでも!!
猪里は大きくスライディングして砂塵を高く
巻き上げるが。
「駄目ヨ、邪魔したら」
ヒュッ
ワンタンはボールを上に放ったかと思うと
自身も高くジャンプした。
役満技 "百万石"
「剣菱!」
空中スローイング!
猿野は最後の望みを賭けてヘッドスライディングをかけた。
「うらあああぁぁ」
バシィッ ザザザ
審判の判定を固唾を飲んで待つ。
「アウト〜!!」
1回裏終了。
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