#14










「ウサギ君ナイスラン!!」
「見たかよ今の走り!まるで音速だったな!!」
「やっぱテメーが県内1だぜ〜!」


バントをセーフにしてしまう走りに周囲は沸きだった。


「へっへーTOSフルバーニア大成功!
ね〜ベンチの皆見ててくれた〜!?」


兎丸の声で後ろ見てみると

テーマ:アインシュタインの特殊相対性理論
についての考察及び論文発表。


「静止している観測者からみて等速直線運動
している物体は進行方向に縮むよね〜」


理知的な眼鏡をかけた牛尾が語る物理に辰羅川が答える。

「はい、それはローレンツ短縮といいますが、さて光より
早いと言われる粒子タキオンは存在するでしょうか!?」


宇宙戦艦ヤマトを知る人にはタキオン粒子の方が
分かりやすいと思うね。


「さぁ、だが光の速度に近づく程時計はどんどん遅れるけどな」


犬飼も牛尾と同じく眼鏡着用でケータイを眺める。


「ちなみに相対性理論には時間と空間の根底を覆した特殊相対性理論と
宇宙の謎を解き明かす重力の理論の一般相対性理論の2種類があります。

まとめると時間や空間は立場によっては変化する場合がある
ということですね」


よく間違われますがアインシュタインは相対性理論で
ノーベル化学賞を受賞したのではありません。


「10代が語る物理学なの!?それより何でそこで
ちゃんまで混ざるのさ!!」


兎丸はだけは普通でいて欲しかったのか泣きそうだ。

は辰羅川のスペア眼鏡をとってゴメンゴメンを謝る。


「大体の人は一般と特殊の違いがわからないだろうなって
思ったから。ま、私は相対性理論崇拝者じゃないけどね」


アインシュタイン自身も相対性理論が覆されても可笑しくない
って発言残してるし。


※ちなみに作者はまだ相対性理論が良く理解出来ないです。
雑誌ニュートンの特集が一番分かりやすかったかも。


「さ〜て第二陣行って来て下さいな、猪里先輩。
やりたい技は出したかったらどうぞ」

「そうするっちゃ」


『2番セカンド猪里君。さぁ1回裏の十二支の攻撃は
ノーアウト1塁の絶好の場面!果たしてどんな手を
打ってくるのでしょうか!?』


1塁の兎丸はできるだけ長くリード幅をとる。


「あらアナタヒッティングで来る気なの?下手に凡打して
二人とも食われちゃっても知らないわよ」


キャッチャーの仕事であるバッターの
揺さぶりに猪里は誘われるそぶりは一切見せない。


「俺はただ2番バッターの仕事をキッチリするだけたい」


その様子に紅印が鼻息をならした。

わかってるのよ…アナタはこの大会でも有数の
バントの名手。守備が堅いウチに下手打つとは
思っちゃいないわ。


わかってら兄貴。この手の奴にはこれ…だろ?


影州が第一投を投げたと同時にバッティングから
バントの姿勢へと変化させた。


それを見て兎丸が走り出す。


「よーし猪里先輩のバントの正確さは100%だぜ!」


絶対の自信のおける猪里のバントに、影州が
打った手とは、ホップする球!


「猪里先輩!」


が猪里の名を呼ぶ。


分かってるたいちゃん。


猪里は垂直に球を叩き斬るように打った。


"鉈下ろし"


しかし、7B側はそれを見越していた。


『ああっと7Bバントを完全に読んでいる!
ファースト・ピッチャー・サード一斉に飛び出した〜!!
そして打球は無情にもピッチャーの真ん前だ〜!!』


その球の行く末を猪里はちらりと目配せする。

影州のグラブに収まろうかと言うとき、
球は時間を巻き戻すかのように後退した!


『なんと打球が投手の捕球直前に後退しました!』


影州の代わりに紅印が球をキャッチ。


「紅印、2塁はもう間に合わないよ!ファーストネ!」


ワンタンがそう指示して紅印はファーストへと送球。

富豪がカバーに入って球をキャッチするが、
数瞬猪里のタッチが早かった。


「セーフ!」


猪里の絶妙なバント技術に会場は騒ぎ立てた。

「やっる〜。流石猪里先輩。内野抜ければ3塁行った
けどま、いっか〜」

「(あの叩き斬るバントは回転をかける為のもの
だったって事かな?)」


「司馬君正解。あんな風に球を操るのは、
猪里先輩くらいなものよね」


さーて、次々行きますか!

7Bも十二支も本番はこれからよ!



























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