#4
「セブンブリッジとようやく対戦かぁ」
自分の部屋でお気に入りの大きめのクッションに
背を預けてはぐぐっと背伸びをする。
準決勝ともなると感慨深い気持ちになってしまう。
ここまでくるのに随分大変だったな。
何せ今までとは違い、自分を伸ばすのでなく他人を
伸ばす事に精一杯力を使ってきたし。
ずいぶんな無茶も沢山したよね。
「ふぅ〜」
気の抜ける呼吸を吐いてクッションに顔を埋めた。
思うようにいかなくて苛立たしく思うことも沢山あった。
それでも、楽しかった。
「う゛ぅ゛〜でも半年足らずじゃ時間足らなかったよ。
それに…あんま、楽しみに仕切れないのよねー」
剣菱さんの病気がある所為だよ。
剣菱さんが純粋に心配な気持ちと…。
「嫌われるの、ヤダなぁ」
凪に、この裏切りを知られる事の気負い。
明日じゃないかもしれないけれど
凪に病気がバレるのはすぐ近くのはずなんだ。
「」「入っていいか〜?」
廊下と部屋を仕切る障子から名前を呼ばれた。
「っ!はいどうぞ!」
声の主は分かり切っているので反射的に是の合図を返す。
スッと障子が開けられ、義兄の魁と由太郎が
中に入ってきた。
「オフクロが夕飯だって何回も呼んでるぞ」
「些か遅いので来てみたが、如何した?」
心配そうに部屋をのぞく義兄達を見ては秘密
にしていた事を見られた気分になってほんのり
顔を赤くする。
「ご、ごめん。ちょっと考え事してたの」
慌てて起きあがってクッションを定位置に
戻して明かりを消し、2人と一緒に廊下に出た。
「ま、明日準決勝だし、しょうがねぇよな」
由太郎が慰めるように言葉をかけてくれる。
「明日は我らも観戦する予定ではある。
もっとも、あやつ等が時間を守るかどうか
心配であるが」
魁兄の言うあやつ等は小饂飩さん・緋慈華汰さん・
沖君の三人だろう。
「明嬢の時は結局俺と兄ちゃんだけだったもんな」
小饂飩さん辺り時間にルーズそうだもんね。
ちょっとした苦笑を漏らしたら。
「クシュンッ」
急にクシャミがでて思わず両手で口を押さえた。
「風邪か?」
魁がの顔をのぞきながら聞いてきた。
「ん〜ゾクゾクしないし熱っぽさもないし
風邪じゃないよきっと」
「誰かがのこと噂してたりしてな」
「まっさか〜」
はそれを笑い飛ばすが、
心の引っかかりはとれずにいた。
NEXT