#3









帰り道はいつものように重い緞帳を下ろしたような暗さだった。



「う〜ん、雰囲気としては結構いい感じ?」


前方約15m先で楽しそうに会話しているお猿君と凪。

何も知らなければ恋人同士にみえる。


凪が猿野に話すセブンブリッジの経緯にはほんの少し、
羨ましいものを感じた。


「ねっねっね兄ちゃんって凪ちゃんの事好きだよね」


兎丸がニヤニヤしての耳に語りかけてきた。


「今更ねぇ」

「露骨に分かりますね」


と辰羅川が相づちを打ち合った。

今一緒に帰っているのは1年レギュラー全員。

今度こそ凪と一緒に帰ろうと目論んだ猿野のからかい半分、
凪への心配半分で後から付いてきている。


「子津君、荷物手伝おうか?」


猿野の荷物を持たされている子津は不憫でしかたない。


「お気遣いありがとうっす。でもこのくらい平気っすよ」

「いや、そうは見えないし」


よろよろして言われても説得力はないよ。


「肩痛めたら大変なのに…というより、お猿君も荷物
位ちゃんと自分で持ちなさいよ」


臭いユニフォームは部室の洗濯機の中なんだし
それほど雰囲気壊すものでもないでしょうに。

ふとトントンと肩を叩かれ、後ろを振り向くと
予想通り司馬だった。


「司馬君?」


話しやすいように司馬の隣に下がって歩くように
しながらは聞き返した。


「(さんは大丈夫?)」

「大丈夫って何が?」


大丈夫にかかる言葉が分からずに
疑問を疑問で返した。


「(この頃、マネージャーの仕事が減って全部僕らと
同じメニューになってるし)」


そう、最近何故か他のマネージャーがいつもより
気を利かせてくれて情報活動すら私がやらないで
済むようになっている。






「あ、ちゃんそれ私がやるから練習してなよ」

「ありがとうございます桃坂先輩」




。部室にあったファイルはパソコンに
打ち出しして元に戻したよ」

「え?柿枝先輩ありがとうです」





そう、こんな感じに。




皆もここまで上がってきたから気合が違うのかな?


「ああ、そう言う意味か。平気平気。体壊さない
ようにちゃんと注意もしてるし、私はやりたくて
練習やってるんだもの」

「最近投球練習もしてるな」


犬飼が会話に加わってきた。

は軽く相づちして説明し始める。


「監督がしておけって。犬君の球の研究にも自分から
動いた方が分かりやすいっていうのもあるけど」


フォームの形も練習方法もあの事に気づいてから犬君の
練習内容も覚えてる限りの大神さんに近づけている。

今年は完璧に仕上げるのは無理だろうけど、
来年も再来年も大会があるから。



「兎に角、明日の為に今日はゆっくり休んでよ」







刻々と辛い戦いが迫ってくる。


天上に住まう双頭の竜と称した片割れとの試合が。





























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